いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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 Henry Gaffney

markrock2011-08-17

/ On Again Off Again ( BIGPINK / 1978 )

日本向けにエグイ再発モノを出してくれている韓国ビッグピンク。これはAORファン向けかな。惜しくも2010年に61歳で亡くなったヘンリー・ギャフニーの名盤。最近はAORものも流石に値崩れしてきて、一時期は4000円くらいしていたこの名盤も、LPで1500円くらいなら手に入るようになってはいた。


タバコをくわえたモノクロのジャケットといい、1曲目に”Mack The Knife”なんていうジャズの大名曲を持ってきている辺り、AORテイストで激シブにスウィングしてくれているのかと思いきや、MOR歌手が可愛くカバーしたような小品だった。エリック・ワイズバーグのバンジョーも入ってね。ロン・カーターのベースとの共演が語られる”There’s A Train”もスタンダードの風格。


聴き続けていくと、この出過ぎない感触がなかなか趣味が良く、味わい深い良盤でありまして。ニューヨークの雰囲気たっぷりにかみしめるようなボーカルを聴かせてくれる。作風なんかは大きく被るわけではないけれど、コーラスがS&Gっぽい”City Lights”やフェンダー・ローズのとろけるバラード”This Is It”、繊細なピアノ・バラード”There’s No Sound”なんて聴いてみると、ポール・サイモン的な印象ですな。


と思って調べていると、ヘンリー・ギャフニーはバークリーで詩作やデモ制作の講座を受け持っていたようで、死の直前、病をおしてバークリーで開催されたポール・サイモン・クリニックに参加したようだ(http://www.berklee.edu/news/1891/henry-gaffney-songwriting-faculty-1949-2010)。


“Happy End”という曲もあった。ノスタルジックなジャズで凄く良かった。あの伝説のバンド「はっぴいえんど」は、間違った英語で(まあそれはそれで、あえて採った日本的表現であり)、本来は”a happy ending”というべきだ、なーんて話があったけれど、こういう言い方もするんですな。なんだか物的証拠を手に入れた気分。


他にも、マイケル・ブレッカーのテナー・ソロが、サタデー・ナイト・ライヴのオープニングを見ている気分になれる”Breakout”とか、魅力的な楽曲が揃っていた。


ファーストは1975年の『Waiting For A Wind』。これはいぜんLPで買ったけれど、なかなか良い盤だった記憶がある。