いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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 The Bird And The Bee

markrock2011-01-10

/ Interpreting The Masters Volume 1 : A Tribute To Daryl Hall And John Oates ( Blue Note 2010 )


去年出たザ・バード&ザ・ビーの盤。故ローウェル・ジョージの娘イナラ・ジョージとグレッグ・カースティンからなるデュオ、って説明しなくてもそれなりに知られてきている。


オールド・ロック・ファンにとっては2世というだけで気になるところだけれど、さらに、ヴァン・ダイク・パークスやジャクスン・ブラウンと共演したりと、イナラの活動にはロックが生み出してきたある種の遺産を大切にしようとする姿勢が見て取れる。だって、有名人の子供でも、そういう古い連中とは付き合いたくないってタイプもいるわけだから。


それで、今回はダリル・ホール&ジョン・オーツのトリビュート作を作ってしまった。フィリー・ソウル色の濃い初期のホール&オーツというよりも、エイティーズに”Kiss On My List”なんかでバカ売れしたエレクトロ・ポップな彼らを蘇らせた感じ。絶妙なソウル・フィーリングと良くできたメロディのブレンドに改めて触れると、ホール&オーツがソングライターとして優秀だったと言わざるを得ないだろう。


ビージーズの”How Deep Is Your Love”のカバーなんてのは以前演っていたけれど、ここまで直球な作もまた良いもので。しかも1曲目にオリジナルの”Heard It On The Radio”っていうこれまた“あの”時代のホール&オーツの甘酸っぱさを蘇らせたモノ。作り手としては、絶対作ってみたい作品だろう。ホール&オーツと同化できたようなそんな満足感に包まれているのではなかろうか。ちなみに本作のジャケは『Private Eyes』(1981)を借用、曲目はベスト盤『Rock’n Soul Part1(フロム・A・トゥ・ONE)』を元にしている。


楽曲不足でカバー流行りなのは別に日本に限ったことではないけれど、ホンモノが自分たちの音で再構成するカバー盤、これってタイトルにもある通りInterpretation、つまり解釈という領域なんだと思う。スキマのある音がとても良い。そう思うと、訳のワカラン女性シンガーに90〜00年代のメガヒットを歌わせるだけってのは芸がないよね。