/ Michael ( Sony / 2010 )
忘年会シーズンですね。翌日はほとんど機能しないですね。なら呑むな、って話なんですがね。でも、色々な世界で生きている人と話をするとマア面白い。IT業界の友人が言ってたけど、ツイッターもmixiと同じ道を辿るって。正直ツイッターやるほど暇じゃないなって思ってしまう、情けないほど時代遅れなタチなのでやってもやらなくても結局一緒かなと思ってしまった。手を変え品を買え、なんであろうと人は人を求めるモノなんですな。沢山人の集めるところで繋がりたいというのはいつの時代も一緒でありまして。
そんなことを考えながら故マイケル・ジャクソンの新作を聴いている。買ったのはすぐに手に入った輸入盤。国内盤のボーナストラックはない。一人のミュージシャンがマスの支持を一手に集めることができた幸福な時代がかつてあった。遺作というのもまた違うけど、今後ニューアルバムをごっそり出せるストックがあるってのも流石です。小出しにするみたいですけど。
ジャケは過去のイラストレーションをコラージュしつつ、彼のソロ・キャリアを一望するもの。さらに内ジャケのイラストはその拡大版で、ジャクソン兄弟やモータウンの先達も描かれている大作だ。
中身は聴いてみると思った以上に出来が良い。本作のリード・トラックとなる”Hold My Hand”はエイコンとのデュエットで、今の売れセンってな仕上がりなんだが、主導権はエイコンだから、マイケルファンには?かもね。元々エイコンのアルバムに入る曲だったわけで、マイケルは客演扱い。完成度もマイケルの最高とは言い難いけれど、曲もいいし十分及第点。良しとしよう。
テディ・ライリーの手がけた”Hollywood Tonight”は実にマイケルらしいちょっぴりエグいキャッチーなダンス・トラック。こういったマイケルの歌ってハリウッド映画的な大味なダイナミズムによく似合うと思う。バラード”Keep Your Head Up”や”(I Like) The Way You Love Me”は沁みたなあ。50セントとの”Monster”やレニー・クラヴィッツとの”(I Can’t Make It) Another Day”も目をひくところだし、スリラーのアウトテイクと言われ、今回はYMOの音源をもサンプリングしている”Behind The Mask”も日本人には嬉しいところかもね。エリック・クラプトンがかつて1986年の『August』でそのトラックを流用したことを思い出す。ジャパンに勢いがあった時代とマイケルの全盛期が重なるんだな。日本と亜米利加の蜜月というか。
そして、一番良かったのはマイケル単独作のバラードである”Much Too Soon”や”Best Of Joy”。マイケルの優しさがなんとも言えない切ない余韻として残った。素敵なクリスマス・プレゼントでした。