いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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 岡本正 

markrock2010-11-01

/ 帰って来ないんですか ( Victor / 1976 )


ビクターのSFレーベルからリリースされたフォークの隠れ佳盤。どちらかと言えば四畳半な方のフォークなのだけれど、70年代前半日本の若者のライフスタイルの匂いってなものを今に残すのは、後世の評価とは別にして、こうした湿り気のあるフォーク歌謡だと思うのだ。


さて、岡本正といえば、バンド「うめまつり」を従えた盤でも知られているけれど、これはソロとしての一枚。マイナーヒットを記録した”北鎌倉 PART?”を収録。さきほど四畳半って書いたけれど、典型的なベタっとしたものではなくて、ラテンロックみたいなハリのあるグルーヴィーなバンドの音で歌われるフォーク、ってのが実に新鮮でありまして。バンドは自身のアコギに加え、笛吹利明、山田秀俊、平野融・肇という優秀なセッションメンを従えたもの。ただ、以前デジタル音源で聴いた音より、このLPの音、かなりボーカルが小さくミックスされている。元々声にヴォリュームがあるタイプじゃないから、バンドの音に埋もれてしまうのが唯一惜しい。


とはいえ、B面にはうめまつり時代の”すみれの花 その2”なんてのも収録されている充実作。70年代前半の学生たちがカバンの中にきっと忍ばせていたであろう純文学を扉にして、過ぎ去りし日々の想い出の一頁に迷い込む、そんなひとときも悪くない。