/ Silent Passage ( Reprise / 1975 )
何の気なしに取り出して聴いてみたレコード。うーん、いやされる。静謐なSSWの世界。やっぱりこういう音が好きなのだ。70年代も半ばをすぎると、シンプルなフォーキーは時代遅れになっていくんだけれど、良い盤も多いのだ。
カナダのシンガー・ソングライター、ボブ・カーペンター。タイトル曲の”Silent Passage”がぐっと来た。ざっくりとしたシンプルなジャケットに表れている通り、その世界は自然と人間が対等な存在として描かれている。詩の例えなんかを見るにつけ。
A面は1973年にLAで録音された音。リトル・フィートのビル・ペイン、ローウェル・ジョージやリー・スクラー、ラス・カンケル、それにビル・キースが参加していたり。あと、プロデューサーのブライアン・アーンの人脈だろうけど、エミルー・ハリスがコーラス参加しているのも目を惹く。ちなみにゲスト参加は歌を大切にした控えめなものだと付け加えておこう。
で、B面は1971年から1974年までのトロント録音。ボブの弾くアクースティック・ギターを中心としたとてもピュアな音だ。しわがれた、つぶやくようなボーカルを聴かせる薄いストリングスも実に良い感じ。ハーモニウムでピーター・プリングル(ケベックのシンガー・ソングライター)が参加している。
さっきネットで調べてみたら、昨年韓国でCD化されているんですねえ。いやこんなものまでよくぞ。ま、わざわざ買いませんが。