/ 質屋のある通り
質に入れる、なんて言葉ももはや死語なんだろう。街角の質屋は次々に店じまいをして、ブランドもののセカンド・ハンド・ショップに生まれ変わる。駅のそばの、しめっぽい裏通りには必ずと言っていいほど質屋があった。連れ込み旅館とまでは言わないけれど、その秘めた土地の匂いといったものがたまらなく好きだった。
いくぶんか感傷的かもしれないけれど、この曲にはそんな、消えゆく質屋の匂いを残してみたくて。
質屋のある通り
ひねもすのたりのたりかな 大都会の裏
焼き鳥の煙立ち上る 街を見下ろして
黄色の猫はまどろんで いつも通りの夢を見る
質屋のある通り
驚いたような顔をして 僕を見つめても
さらさら吹く風に乗せて 想いは消えて行く
ひっそり閑とした路地で 僕は哀しい夢を見る
質屋のある通り
君の声は 届かない ただ一つの 愛の日々よ
何度も話した時間は誤解を生んだだけ
藪から棒に飛び出した 疑いを晴らせず
黄色の猫のまどろみに 僕は愛しい人を呼ぶ
質屋のある通り
Playing
guitar(Martin M-36)
,bass(Greco Ricken)
,bongo cajon(Meinl)
& recording(ZOOM MRS-8) by myself