/ Just Plain Charlie ( Mercury SR 61209 / 1969 )
犬ジャケ、と言いましても、これは盲導犬なのでありまして。盲目のシンガー、チャーリー・スターの1枚目。なんでも7つの楽器を操れるらしい。ジェイムス・テイラーの激シブカバーを含む2枚目の『Tough & Tender』がシンガー・ソングライターの名盤として知られているが、こちらは余り触れられることもない。それもそのはずで、ラリー・ワイス作の”The Morning After”みたいなナッシュビル録音のべったりカントリー色の強い作品を含んでいるから。とは言え、よくよく聴き進めていくと、そんな作品ばかりではないことが判る。A面ではフォーク・ロック・タッチの”Bottom Of the Glass”やブルージーな”Hey John”、ポッピン・ロカビリーってな”Call Out The Stops”など聴き所は多い。
最高なのはB面。サージェントなビートルズを思わせる”A Little Time Before”が白眉でしょう。カントリーっぽいAメロからホーン・セクションも交えて拍子が変わっていく異色作。私の持っている盤だとプレスミスがあってちゃんと聴けないのが悲しい。さらに、スプーキー・トゥースの”Evil Woman”(これもラリー・ワイス作)を激しくシャウトしていたり。この曲とさきほどの”Hey John”、”The Ride Of Justice”はニューヨ−クで録られたロックな音で、明らかに肌触りが違う。ラストはロン・ダンテ&ジーン・アレン作の”Solitary Woman”。