/ Women + Country ( Columbia / 2010 )
発売と共に買っておきながら紹介が遅れていた盤。ウォールフラワーズ時代の”One Healight”をブルース・スプリングスティーンと共演している映像を時々見たくなる。YouTubeで簡単に見られるはず。1997年だったかな、BS-2で放映されたMTVアウォードで当時これを目撃したときは、ボブ・ディランの息子なんて事を抜きにして、衝撃を受けたものだ。
さて、本作はソロ1作目の前作『Seeing Things』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20080615)と同等か、メロディの良さではそれを上回る出来。”One Headlight”収録の『Bringing Down The Horses』も手がけていたT・ボーン・バーネットに再びプロデュースを依頼し、派手さはないが、孤高の表情を見せてくれている。マーク・リボーのスペイシーなたゆたうギターは、歌の輪郭をくっきりさせる。そこには亜米利加の大地に根ざして生きるジェイコブと寄り添う女だけが確かに見えるのだ。
本作の成功を宣言する冒頭の”Nothing But The Whole Wide World”、 哀愁ジャズ・ブルーズの風情の“Lend A Hand”は沁みた。バンジョーやマンドリンが入る曲もあり、ルーツを感じさせる味付けがある。カントリー・タッチの”Everybody’s Hurting”も胸に迫った。
ボーナストラック付きの日本盤が出たらしいが、興味はない。後出しジャンケンみたいなせこい商売がほとほと嫌に見えてくる。