/ Same ( J-more / 2010 )
GS好きならまあ買いますわな。ジュリーこと沢田研二とワイルドワンズのコラボレーションってんだから。タイガースとワイルドワンズですよ。オヤビンの若大将加山ではなく、ジュリー!
NHKのテレビ出演を先に見ていたから、生演奏は余り期待していなかったけれど、聴いてみてやっぱり、スタジオミュージシャンに全てを任せていて。”TOKIO”をはじめソロとしてのジュリーの全盛時代を支えたライター加瀬邦彦を有するバンドを抱えているというのに、折角なんだから、全部オリジナル・生演奏で勝負して欲しかったけれど。Avex配給という時点でソレを許さない匂いもある。
さて、それでもバンドに若々しさを注入するには致し方なかったのかもしれない。それにじっくりバンドとしての纏まりを確認するほどの時間も無かったのだろう。聴いてみると英断とも思えてきて。
ジュリーのボーカルばかりとも思ったけれど、ワンズの鳥塚や植田の出番も多くて嬉しい。ビーチボーイズばりのコーラスも上手なバンドだから、コーラスの絡みを聴きたいところ。心に残ったのはウォール・オブ・サウンド風な(サザン・テイストの)”涙がこぼれちゃう”、加瀬邦彦作の軽妙な(そしてなんて素敵に軽薄なんだろう!)”渚でシャララ”、鳥塚と沢田でボーカルを分け合う”プロフィール”、植田の切ない3連バラード”アオゾラ”あたりか。もろGSタッチな加瀬作の”Oh Sandy”も良かった。正直こんな感じのやつを生演奏でガンガン演ってくれたら、カッコイイ親父になれたのに、と思う。加瀬が歌う”僕達ほとんどいいんじゃあない”はお世辞にも上手いとは言えないけれど珍しいテイク。
他にも悪い曲は見あたらなかったが、突き抜けた曲もない印象。新曲でまとめたチャレンジを良しとするか、”TOKIO”あたりの再演も含めた生演奏を良しとするか、評価が分かれる所だろう。