いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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 日暮し 

markrock2009-09-21

/ Same ( Blow Up / 1973 )


最近日暮しのゴールデン★ベストが出たみたいだけれど。まともなベスト盤がCD化されてこなかった人達だけに嬉しい。でも、唯一のヒット曲“いにしえ”をはじめとした後期の楽曲中心。初期の名作『日暮し』『日暮し2』からの楽曲は殆んど含まれず。


メンバーは、武田清一、榊原尚美(のち杉村尚美)、中村幸雄。武田は1968年にRCサクセション結成前の忌野清志郎小林和生と共にリメインダース・オブ・ザ・クローバーを結成していた。武田がより日本的な音楽を志向していたことから、清志郎とは方向を違えたようだけど。かぐや姫のファースト(厳密に言えばセカンド)に提供した“あの唄が想い出せない”は忌野と武田の共作だった。


さて、中身はと言うと、ほとんどの曲を武田が手がける。作詞家の杉山政美の手がけた曲もある。編曲は柳田ヒロと矢野誠が分け合うが、4曲で比呂公一(植木等の息子)が加わっているのも気になる。ややもするとベタッとしてしまいそうな和製フォーク・サウンドながら、ちょっとした洗練が見られるのが、後の“いにしえ”に繋がる側面として面白い。B-1”まちぼうけ〜佐渡を恋うる詩”とかにしても。特徴はメジャーセブンスかな。歌は紅一点のボーカル榊原の淋しげな歌声が印象的。


弦の入る淋しいバラードA-2”陽炎(かげろう)”もなかなかだが、アコギのザクザクしたカッティング、ギターソロとコーラスがロック的な印象のA-3”名も知らぬ街角”A-5”とても長い時がすぎて”が良い。比呂作曲のつぶやきソングA-4”清ちゃんの歌”も面白かった。


シンガーソングライターっぽいところでは朴訥としたB-3”無題”、B-5”弱虫”もなかなか。


『日暮し2』もまたいずれ紹介したい。