いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Benny Gallagher

markrock2009-02-11

/ On Stage ( OnSong001 / 2008 )


昨日に引き続き、ベニー・ギャラガーの新作ライブを。OnSongという自主レーベルの、こちらが1作目ということになる。1973年ギャラガー&ライルの名盤『Willie and the Rap Dog』を思わせるセピア色のデッサンがうれしい。ギャラガーの弾き語りが十二分に堪能できる最高の和み盤。コレがかかってる喫茶店なら何時間でも居れそうな。冒頭拍手で迎えられてスタートするのが、『Seeds』に収録されていたM-1”We”。幾分アレンジを変えて披露。オリジナルではグレアム・ライルがリードをとっていた曲でもベニーが歌う。声色は結構似ているし。バラードのM-2”I’ll Be There”、小粋なシャッフル・ブルースM-4”Brushin’ Up On My Blues”、M-6”The Rooster”は新作にも収録されていなかったギャラガーのオリジナル曲。昔聴きこんだ名盤『Breakaway』に収録されていたM-2”15 Summers”も嬉しい。M-5”Keep The Candle Burnin’”もジャジーなアプローチで。コレ、最高。


M-9”How Come”はロニー・レインの嬉しいカバー。スリム・チャンス時代の『Anymore For Anymore』のボーナストラックにも収録されていた。1974年のラジオ放送用のライブ音源『River Sessions』のボーナス・トラックとして初お目見えした未発表曲M-8”The First Leaves Of Autumn”や、同じく『River Sessions』で取り上げていたM-7”Mrs Canatelli’s”も披露。後者はジャズ・ブルーズのタッチが良い。この頃の音作りがベニーの本質と思われる。


そう考えると、幾らヒット曲とは言え、M-11”I Wanna Stay With You”に見られるポップさは、ギャラガーのテイストとはかけ離れていたのかも。ところがどっこい、本ライブではテンポを落としたバラードアレンジで聴かせてくれる。コレは悪くない。さらには、ベニーがリードをとって唯一大ヒットした曲ともいえる、マクギネス・フリントのM-12”Malt And Barley Blues”を弾き語る。会場も手拍子。ラスト2曲はリンゴ・スターもレコーディングしたM-13”Heart On My Sleeve”と個人的には大好きなM-14”Stay Young”を。どちらも『Breakaway』収録曲。ポップさとそれまでのアクースティックな音が絶妙のバランスで同居した『Breakaway』は彼らにとって最大のセールスを記録したのだが、グレアム主導でポップさを強めていくに従い売り上げを落とし、遂には解散に至ったのも、グループの力学としては頷ける。まあいずれにせよ、ベニーの新作2枚はマスト。Paypalで支払い後、1週間ほどで届いた。今のレートなら送料込みの2枚で3200円位。輸入趣味には円高は嬉しい。