/ I Hear Voices ( alanoday.com / 2008 )
アラン・オデイの新作。昨年入手し、1回しか聴いていなかったけれど、また取り出してみる。
アラン・オデイと言えば、ヘレン・レディの”Angie Baby”やライチャス・ブラザーズのオールディーズ賛歌”Rock’n’Roll Heaven”をはじめ、70年代に一世を風靡したソングライター。シンガーソングライターとしても1977年に”Undercover Angel”の全米No.1ヒットを生んだ才人。日本との繋がりで言えば、山下達郎の英語詞を手がけている。奥さんはユカさんと言うそうだが、日本人なのかしら。
さて、改めて聴いてみると、所謂売れ線を行っていて、なかなかに曲が良い。M-1”My Rock’nRoll Shoes”は昔懐かしいロックンロール。カントリー・フィールドでも好まれそう。ちなみにこの盤、ナッシュビルでの録音。ブルージーなM-2”Blow My Blues Away”を経て、タイトル曲のM-3”I Hear Voices”はメインストリーム系ポップ。ゴスペル風に迫る女声コーラスが良い。M-4”Kaziah’s Children”はヒーロー・ペインティングスという、9.11のテロの遺族に絵を送るヴォランティアがあるのだが、それと連動した楽曲。感動的なバラードで、カントリー歌手に歌わせたい。M-5”Things That Are Lost”はAメロがブルージーだけど、サビでメロディアスに展開する、アラン・オデイ節バラード。ブルースM-8”Sylvia Funky”は1970年とクレジットされているから、かなり旧い曲と思われる。M-9”In Heaven’s Eyes”も好バラード。M-10”The Thing About A Ring”はエルヴィスを思わせる軽快なロッキン・カントリー。M-11”Please Don’t Believe Me”はコンテンポラリーなミディアム・バラード。まさに人気作曲家のデモって感じですが、アランの朴訥としたボーカルも悪くない。ブルーズ好きですねえ。M-12”Woman On Top”も唐突にブルーズ。M-13”Guide Me”もカントリー・フィールドで好まれそうなバラード。ラストのM-14”Your Song Sucks”はライブ録音のコミックソング。
現在ではアメリカ一のソングライターと思えるダイアン・ウォーレンがアルバムにコメントを寄せている。ダイアンが才能を開花させる前からの、大切な友人だそうだ。一部の曲のメインストリーム感たっぷりな感触はダイアンとも共通する。
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アラン・オデイ自身による”Rock’n’Roll Heaven”の2006年ヴァージョンが無料でダウンロードできる。かなり良い。