/ Always ( Imperial / 2008 )
スターダスト・レヴュー。芸歴の長い人達。確かな実力があるのだから、もう少し突き抜けて売れても良かったんじゃないかと思わなくもないけど余計なお世話か。ナイアガラ・ファンには、根本要が、クレージー・パーティー”がんばれば愛”を歌っていたことでも有名。
今回の新作アカペラによるJポップカバー盤は、1983年の『Charming』以来のもの。『Charming』収録の、松田聖子”Sweet Memories”は当該曲カバーの先駆け的作品となった。
さて、結論から言うと新作の出来はなかなか良い。ただし、完全にアカペラに拘って欲しかったのだが、バッキングが入ってしまっている曲もあるし、最後に”夢伝説”の殆んどオリジナルと変わらない新録がボーナス収録されているのが正直余計。売ろうとする気持ちはわかるけど。
素晴らしいのは鈴木慶一の”あの娘のラブレター”をドゥ・ワップでカバーしたM-2。鈴木本人も大絶賛。さらに、オフコース初期の名曲M-3”水曜日の午後”がとても良い。オフコースもコーラスに命をかけていたグループだけど、人手が勝る彼らに軍配かも、と思ってしまった。小田和正とはテレビ番組での共演など、近年接点も多いのだが、M-8”思い出はうたになった”はオダ★レビ名義の共作。小田の詩、根本の曲だが、詩がこうだとこうなるのか、小田が作る朴訥とした小曲の味。小田自身のボーカルが載るとまた世界が変わって見える。
さらに、はっぴいえんど系の流れも押さえていてくれていて。ボッサに迫る鈴木茂M-4”Lady Pink Panther”、改めて聴くとなんとも良く練られた曲ですな。山下達郎の1stで印象的なM-5”夏の陽”は、俺はこの声出せる、とまあ喧嘩売っている感じ。まあ誰も喧嘩買おうとしてないんですけど。
M-6“オリビアを聴きながら”は歌いこんできただけに流石。ユーミンM-7”翳りゆく部屋”はなぜかカバーされることが多い曲。椎名林檎も歌っていたし。