いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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James Taylor

markrock2008-10-04

/ Covers ( Hear Music / 2008 )


ジェイムス・テイラーのカバー集。洋邦問わず跋扈するカバーモノが戦後ポピュラー音楽の衰退を意味するのか、はたまた過渡期なのか判らないけれど。お前もか的な要素もありつつ、元々他人の楽曲のインタープリテーションで飯を食ってきたJTなら許せる。


中身を聴くと、全編冒険はしていないものの、金太郎飴的な良作に仕上がっている。M-1”It’s Growing”やM-2”(I’m A )Road Runner”といったモータウンカバーはかつてJTの歌で聞いたような錯覚を覚えるほど。自分のものにしている。嬉しかったのはジミー・ウェッブ作品M-3”Wichita Lineman”。同年代のソングライターの作をこうして採りあげてくれるとは。グレンとは又違った抑制された味わいが。他にもヨーヨー・マのチェロが聴けるレナード・コーエンM-7”Suzanne”もいい仕上がり。


その他、ディキシー・チックスのM-5”Some Days You Gotta Dance”は2004年のブッシュ批判ツアー”Vote For Change”でディキシーと共演した曲。そう言えばこの時に一緒に演った”Ready To Run”は良かった。


同じくカントリーものでは、JTの”Bartender’s Blues”をカバーした大御所ジョージ・ジョーンズのM-4”Why Baby Why”を選曲。ジョン・アンダーソン1992年のヒットM-6”Seminole Wind”もハマっていた。


M-8”Hound Dog”はエルヴィスと言うより、ビッグ・ママ・ソーントンを思わせるブルージーなアレンジ。意外にも感動してしまったのはスピナーズの母慕ソングM-9”Sadie”。M-10”On Broadway”は弟リヴも取り上げている。JT版もライブでは聴けたけれど。エディ・コクランのM-11”Summertime Blues”、そして故ボ・ディドリー・ビート全開のバディ・ホリーM-12”Not Fade Away”はアンコール的な盛り上がりで。


スティーヴ・ガッド、マイケル・ランダウジミー・ジョンソンと言った腕利きとのセッションの楽しい雰囲気が伝わる本盤、ボートラナシですので輸入盤を買うべし。