/ 箱舟は去って ( Victor / 1975 )
本盤にライナーを書いている加川良からアクを抜き去ったようなボーカルスタイルを持つ関西SSWの名作。派手さはないが、定期的に手に取る盤。
佐藤博のピアノに渋谷毅のストリングスが被さるA-1”何処へ”を聴くだけで、真っ直ぐな気持ちになれる。A-2”通り雨”は最高の陽だまりフォーク。風船のイサト(金森は風船75に参加)、細野、林立夫、佐藤博という布陣にペダルスティールまで絡んでくると言う。ボーカルには一部はっぴいえんどっぽさもアリ。A-3”悲しみの季節”は往時の拓郎も思わせるメンフィス・ブルース・アゲインってなディラン風フォークロック。バックは茂なしのハックルバックに石田長生、永井洋が加わった面子。もうコノ3曲だけでドツボなんですが。
早川のカバーB-2”サルビアの花”も好カバー。カバーながら流れは壊さない。本作に”God Father”とクレジットされてプレイヤー参加している西岡たかしあたりが歌いそうなタイトル曲B-5”箱舟は去って”もなかなか。
ちなみに本作、ゲスト陣も豪華。他にも斉藤哲夫、いとうたかお、村上律、長野隆、中川五郎、有山淳司が。アメリカのSSWの単発作にもこう言うのありますよね。妙に豪華なゲスト陣の地味盤。
ちなみに金森、“都会の村人”やURCの“I.M.Oバンド”でも作品を残している。