/ Mind Dusters ( 1968 )
最近どうも余裕がなく。ケニー・ランキンのライブに行ったのも先週の日曜か…
個人的にはブルーノートで1回、昨年コットン・クラブで観ているから今回で3回目となる生ケニー。今回はウッドベースもナシの弾き語り。今年で68歳を迎えるとは思えぬ歌声に酔いしれた。
殆んどマイクの気配を感じないナチュラルなセッティングで愛用のクラシック・ギター、ピアノを持ち替え、歌う。1曲目は1st『Mind Dusters』より、”Mr.Tambourine Man”を披露したので一寸ビックリ。彼はディランの『Bringing It All Back Home』にギターで参加しているのだが、だからと言うより、初期作品を含む7作が紙ジャケでリマスターされたことに合わせた選曲だろう。他に珍しいところでは『Silver Morning』のタイトル曲をピアノ弾き語りで聴かせたり。その他は”Blackbird”、”In The Name Of Love”、”Peaceful”、”Penny Lane””Why Do Fools Fall In Love”、”Birembau”、”Heven’t We Met”といったベスト選曲。 『A Song For You』に収録されているセロニアス・モンクの”Round Midnight”なんかも良かったし。なんと言ってもアンコール後のラスト、アカペラ・マイクなしでの”Because of You”には痺れた。
ケニーの作品を1作目から聴いていくと、声にしても、楽曲の解釈にしても研ぎ澄まされていく様子がわかる。彼自身もそうした進化に自覚的なのか、再演モノも多い。『Silver Morning』がそのキャリアの頂点と言う人も多いのだけれど、個人的には1991年発売のボトムラインでのライブ盤だと思う。一聴すれば判るハズ。
とは言え、この1作目『Mind Dusters』だって十分個性的だし魅力的。”Mr.Tambourine Man”をこんな形で解釈してた同時代人はいない。自作の”Peaceful”だって奇跡の名曲だし。
ところで、その”Peaceful”をヒットチャートに載せているのはジョージイ・フェイム。彼、ベン・シドランと共に、ケニーと同じハコに来日するそうなのだが、行くべきかどうか。