/ このままでいいのだろうか ( 1971 )
これはカナリの怪盤。坂本九「見上げてごらん夜の星を」、ドリフターズ「いい湯だな」、由紀さおり「夜明けのスキャット」、ピンキーとキラーズ「恋の季節」、青い三角定規「太陽がくれた季節」、ゲゲゲの鬼太郎…と代表作を挙げればキリがない作曲家、いずみたく大先生の自演盤。最近ウルトラ・ヴァイヴより『美しい地球』と2枚で1980円という安価で出たものですかさず入手。オリジナル2600円の帯付きパッケージのまま2枚抱き合わせている辺り、売れ残りか?と邪推してしまうが。
さて、岸洋子「希望」に似たタッチのM-1”死んだあいつ”から酩酊したヨッパライってな、お世辞にも上手いとは言えない鼻詰まりボーカルが飛び出す。コレ、北朝鮮に亡命した夫婦に生まれた子どもを歌った唄かしら?共産党シンパの元参議院だということも思い出しつつ。なんだか野坂昭如を初めて聴いた時のごとき衝撃。しかしこんなトコロで驚いてはいけない。M-4”SEXブルース”を聴くべし!
「SEX それがなくては歴史はできない ババババババ〜」
…なんて延々淡々と歌うこの境地、只事じゃないでしょう!他にも、日本を憂うタイトル曲M-2”このままでいいのだろうか”、16ビートの珍曲M-6”手にハンマーを”、和ボッサM-9”どうして酒を飲むか”なんかが印象に残った。
ジャジーなアレンジが一定のオシャレ感を演出するも、耳をそばだてると仰天する盤。