いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
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『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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Roger Nichols & the Small Circle of Friends

markrock2007-12-22

/ Full Circle ( 2007 )


ロジャニコ!バカラック来日なんてどうでもよくなる(失礼!)ほど嬉しい新作。メリンダ・マクレオド、マレイ・マクレオドとのトリオ「スモール・サークル・オズ・フレンズ」としては、A&Mにおける名盤から数えて40年ぶりというのだから、全くもって奇跡。95年に日本でリリースされた新作は旧友ポール・ウィリアムスらをゲストに迎えたロジャーのソロ・プロジェクトってな風情だった。まあトリオの新作を出すタイミングとしてはそこがベストだったと未だに思うけれど。今作も日本主導でのリリースで、選曲・アートワークなど随所にマニアな拘りが。紙ジャケで当時の三人のポートレートをソフロ風に仕上げてくれたのはウレシイ。


音はというと、冷静に言えば、TOTOやエアプレイのリズム隊で録られた2曲の蔵出しを除き、ほぼロジャー自身による宅録。60年代A&Mのソフトロック・サウンドは優れたスタジオミュージシャンによって支えられていたわけで、それに比べると当初物足りなく感じたりもしたのだが、数日聴き込むにつれて気にならなくなってきた。とにかく3人のハーモニーが聴けるだけで涙を抑えられない。


レコ・コレ誌の発売前レビューに「67年の前作はメリンダの女声が目立ったが、新作はマレイと思しき男声が目立つ」みたいに書かれていたけれど、実際はおばちゃんメリンダのキーが著しく低くなっただけで、ちゃんと歌っていることが確認できる。


ポール・ウィリアムスと書き溜めた楽曲が尽きた後の70年代のロジャーは本当に才能の光を失ってしまった。ポール・アンカに書いてヒットした”Times Of Your Life”もありきたりなバラードだったし。ポールと作ったデモ集は彼の持てる才能を全て出し尽くしたものだった。


そんなわけで、67年作の続編を作るなら、60年代の屈指の楽曲を集めるべし!ってなハナシになったのかは知らないけれど、再録M-2”The Drifter”、M-3”Let Me Be The One”、M-4”Out In The Country”、リチャード・カーペンターが歌っていたM-5”I Kept On Loving You”、サンダウナーズのM-9”Always You”など、60年代に書かれたソフトロックの名曲がズラリ。アン・マレーの名唱で70年代にヒットしたM-1Talk It Over In The Morning”も確か60年代の作だったハズ。


そうそう、ちなみに60年代の未発表曲M-7”You’re Foolin’ Nobody”はロジャーらしい気品のあるメロに弾むようなコーラスがついてくる佳曲。これだけでも買い!


とは言え久々にポールと一緒に書いた新作も収録(M-12”Look Around”)。感動的なバラードで、ロジャーも彼らしいメロディを書いている。これを機にポールとのコンビを復活させて、新作も出してくれたら最高なのだが。それにしてもポールって朴訥ながら表現力があるんだなあと、改めて本作を聴いてそんなことも思ったり。