/ Park Bench Theories ( Polydor / 2007 )
2004年以降メジャーでポツポツシングルなんかを出していたイギリスの若手SSW、初のアルバム。ザ・タウンというバンド名義になっているが、基本はアコギのカッティングが聴こえるパーソナルな音作り。冒頭のフォーキーなM-1”Runaway Train”では、イギリスらしい内省、センチメンタリズムをジェイムス・ブラントを思わせるちょいハスキーめのボーカルで歌い上げる。早速グッと惹きこまれる私。
一方、シングルが切られているM-2”When Will I See Your Face Again”はモロ、ロッド・スチュワートなんかを想像してしまう、ソウル風味の作。かぶさるストリングスも切ない。3フィンガーのギターにピアノが絡むM3”London Town”はイギリス的な哀愁がかなり良い。メロにはフィル・コリンズなんかを思わせる部分も。トラッドな感じもする3連の美メロバラッドM-5”Shadows”もいい。"Like A Rolling Stone"ばりのオルガンと早口ボーカルが聴けるM-11"Hey You"もなかなか。
通して聴くとかなり曲のクオリティが高いことが判る。売れ線のブラントなんかとは比べ物にならない位、時流に耐える作。ジャケもいいし。まあ、っていうかアコギ好きは堪らない、というだけかもしれないけれど。