/ Romancing The 60’s ( Motown / 2007 )
目を疑った!ナント、フランキー・ヴァリの新作。29年振りですよね?またまたベスト盤かと思って手に取ったら…
ヴァリというと、高音を失って隠居しているイメージがあった。1994年のマンハッタン・トランスファー『tonin’』にて往年のフォーシーズンズ時代のヒット曲”Let’s Hang On”を歌っていた時も、老いを感じさせずにはいられなかったのだが。
今回、恐る恐るプレイヤーに載せるや、スロウなオーケストレーションとジャジーなピアノに導かれ、ヴァリのものとしか言いようのない鼻声のハイトーンが顔を出す。選曲はM-1ボビー・ヴィーの”Take Good Care Of My Baby”。鳥肌です。この盤、タイトルからも判る通り、60年代回顧盤。プロデュースはボブ・ゴーディオ。アレンジにはチャーリー・カレロが顔を出す。プレイヤーではウィル・リーやヒュー・マックラケンが。スティーヴィー・ワンダーのM-2”My Cherie Amour”は、同じくハイトーンのスパイラル・ステアケース(パット・アプトン)が歌っていたのを思い出した。全然順調な歌声ではないですか!!
“Spanish Harlem”、”Any Day Now”、”Let It Be Me”、”What A Wonderful World”、”Call Me”、”This Guy’s In Love With You”、”Sunny”、”My Girl / Groovin’”…
山下達郎も真っ青のベタ選曲。誰も文句は言えません。再演もアリ。ラストM-13”On Broadway”は、新作のキッカケにもなった大成功のブロードウェイ・ミュージカル“ジャジー・ボーイズ”の面々と。