/ The Heartbeat Of Love ( Friday Music / 2007 )
昨日紹介したスティルスの新作と連動していると思われる、バッファロー仲間、リッチー・フューレイの新作。これがまた、バッファローやポコの仲間と繰り広げる最高に懐かしいウェスト・コースト・ロックの快作!近年、牧師としてクリスチャン・ミュージックに入れ込んだ作品が続いていたのだが、やっとポップ・フィールドに戻ってきてくれた。テーマは「愛」ってことで敬虔なクリスチャンらしいと言えばらしいのだが。
とにかく全編楽曲が優れている。M-1”Forever With You”から70年代後半から80年代前半を思わせる甘酸っぱいポップスが蘇る。爽やかなコーラスがいい。ポコの再結成ライブで久々に聴けた伸びやかな歌声は健在。ホント声が若い。ゲストも豪華。M-2”Me Heart’s Cryin’ Tonight”ではティモシー・シュミットとのデュエット。そう言えばこの作品、全体を通じてティモシーの近作と似たタッチだと考えればわかりやすい。サックスが泣かせる。M-3”Crazy For You”はイーグルスなタッチ。
極めつけはM-4での名曲”Kind Woman”の再録か。ナントここではバッファロー仲間、ニール・ヤングに加え、同じくウェストコースト仲間のケニー・ロギンスという豪華なコーラス陣が参加。彼らをバックにしても、リッチーは以前と変わらない、噛みしめるような歌声を聴かせてくれる。不覚にも涙。ダン・ダグモアのスティールも良い。さらに、M-5”Heartbeat Of Love”ではポコのポール・コットンが、M-6”Dean’s Barbecue”では同じくポコのラスティ・ヤングに加え、サム・ブッシュ、アル・パーキンスが参加。M-8”Callin’ Out Your Name”ではスティーヴン・スティルスがコーラスで参加。この曲はじめ多くの曲で、娘のジェシ・フューレイ・リンチもコーラスで参加している。
セヴンティーズなウェストコースト・ロックを待っていたオヤジファンが諸手を挙げて大喜びする作。新鮮でありながら懐かしい、アメリカを感じる素敵な一品だ。