いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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Stephen Bishop

markrock2007-03-26

/ Saudade (OEM-00035-5 / 2007 )


数年ぶりの旅行、沖縄から帰還。三線を購入。帰宅して弾いてみると、なんだか魔法が解けたかの様に同じ音がしない。レコ屋では登川誠仁の「収納奉行/稲しり節」(1977)のシングル盤を購入。収納奉行(しゅぬぶじょう)とは税金取立人のことらしい。レーベルとジャケ裏にはでかでかと「シズ子」の文字が。元の持ち主か?


さて、スティーヴン・ビショップのブラジリアン新作“サウダージ”。前回にチラッと紹介したが、アメリカのスーパーマーケット、ターゲット独占販売の作。基本的にはトッド・ラングレン『With A Twist』みたいな気楽に聴き流せるセルフカバー作。プロデュースはベテランのオスカー・カストロ・ネヴィス。共同プロデュースに元クラッキンのピーター・バネッタ。


何と言っても目玉はリア・カンケルとの共作でニック・デカロ『Italian Graffiti』の冒頭を飾っていたM-1”Under The Jamaican Moon”。自演はライブで披露していたもののレコーディングでは初。ファルセットは極力抑えているがこのボッサアレンジではそれが吉。M-2”On And On”など殆どの再録はブラジリアンアレンジに嵌っているものの、ファースト収録のM-6”Never Letting Go”だけはサビでリズムのズレが気になったりも。これだけは弾き語り主体のアレンジが良いと思う。M-5”Save It For A Rainy Day”にはファーストと同様、盟友エリック・クラプトンが参加。今回はエレキでなくアクースティック・スティールギターで。クラプトンの近作でもこういうオシャレなやつありましたね。


そう言えばクラプトンとビッシュフィル・コリンズ繋がりの縁。クラプトンの『Behind The Sun』はフィルがプロデュースしていたし、クラプトンの『August』にはビッシュとクラプトンの共作”Holy Mother”(リチャード・マニュエルに捧げた名曲!)が収録されていた。フィル-ビッシュ繋がりと言えば何といってもフィル-マリリン・マーティンで全米No.1を掴み取ったM-11”Separate Lives”か。ビッシュ自身でも何度もレコーディングしているが、ここではオリジナルの感傷を残す好アレンジ。そう言えば、ビッシュ1976年の1stに収録された"One More Night"(本盤M-10で再録)とフィル1985年の同名大ヒットって似てません?"One More Night"と繰り返すサビに近しいものを感じるのだが。


さてその他で言うと、ラストのジャジーなM-12”New York In The Fifties”は悪くない。今の彼の声に合ったスタンダードなタッチM-9"Take This Empty Heart"もお気に入りになりそう。セカンド収録のM-7"Bish's Hideaway"にはケニー・ランキンがコーラス参加。とにかく全編、正座して聴くというよりむしろBGMか。前作のデモ音源の集大成+アルファなアコギ弾き語り集『Yardwork』は正座聴きモノだったけれど。