/ My Name is Rock A Billian (Next Stage Japan / 2003)
キャロルと言えば矢沢、というのが一般的な捉え方。まあ一連のキャロルはどっちのモノだみたいな騒動も個人的にはどうでもいいわけなのだが、矢沢の陰に隠れたジョニー大倉はもっと評価されてもいいと常に思ってきた。サンデー・ジャポンに出てるどころじゃなくて、ジョン・レノンばりの渋い巻き舌ボーカルも、英詩と日本語を融合させたキャロルの詞にしても。日本語を西洋のメロに載せるという今となってはなぜできなかったのかと不思議に思われる偉業を最初に成し遂げたのは「はっぴいえんど」でもなく「キャロル」だったわけで(現在音楽雑誌で再構成されている日本ロックの「正史」的には、結局キャロルの前座をやっていたミカバンドの方がエライんでしょうけど)。もちろんそれ以前にはキャロルのプロデューサーだったミッキー・カーチスらのロカビリー〜”漣”訳のアメリカンポップス世代が試みていたことではあるのだが。ジョニーが果たした功績はもっと認められて良いハズ。ジョニーのソロを聴けば、キャロルがいかにジョニーの音だったかがよくわかる。
しかし、今年2007年、とうとうジョニーのソロ旧作がドカンとCD化されます。ファンには怒られちゃうかもしれませんが、矢沢のソロよりずっとセンス良し。昨年12月にはセルフカバー集『ヘイ・ママ・ロックンロール』が出てますが、新作も1月に。その流れで再評価も進めばと。
今回取り上げたのはセルフカバーの前哨戦となった2003年作。4曲入りミニアルバムで冒頭のロカビリーA-1"恋はセクシー"、バラードA-2"ASK ME"は新曲。A-3"二人だけ"、A-4"ファンキー・モンキー・ベイビー"はキャロルのセルフカバーとなっている。(シークレット・トラックもラストに有り)全くオトロエ知らず。良いですよ。
ちなみに旧作の再発ラインナップに入っていなかったのだが、ロックンロールの日本語カバー集『ポップン・ロール・コレクション』は必聴!!ジョン・レノン不滅の名盤『ロックンロール』の日本的解釈と言う。"監獄労苦""恋乃特効薬""美舞丙比""発途舞礼弧火照" 何の曲かわかりますか?