/ Same ( Ampex A-10135 / 1971 )
昨日バッファロースプリングフィールドのドラマー、デューイ・マーティンのバンドを取り上げて思い出したのは二つのバンド「Taos」と「Santa Fe」。どちらもネイティブ・アメリカン居住区、ニューメキシコ州の地名をバンド名にしている。個人的にはタオスもサンタフェも(後者は宮沢りえの撮影で知られていますが)かつて旅をした思い入れのある場所。今回は「Santa Fe」を取り上げることにしよう。
このバンド、完璧にCS&Nの影響下にある。当時はこうしたフォロワーが沢山いた。とにかく全編3声のハーモニーが響き渡り、CS&Nそのもの。B級テイストは否めないが曲はけして悪くない。むしろ粒ぞろい。アンペックスからの唯一作で、メンバーには後にエル・チカーノそしてティエラに参加するスティーブ・サラスがいた(ベース)。しかし、リーダーと思われるのは10曲のうち7曲のソングライティングに参加しているボーカル・ギターのウッディ・ミニッチ。他の2曲はメンバーのジョー・サプート、1曲は同じくメンバーのロブ・リッグスが書いている。
まずA面。冒頭マイナー調A-1”Iron Norse”はバーズのクロスビー曲風。間奏がやたら熱く長いのも、いかにも遅れてきたフォークロックバンド!A-2”Sad Days”は“青い瞳のジュディ”中盤のメロみたい。B級GSみたいなファズのイントロにウーララコーラスと走りまくったドラムスが絡みつき、しかもメロはカントリーっぽいと言うA-3”Memphis Is A Woman”は衝撃。ブリティッシュ・インベイジョンへの解答であった初期バッファローやバーズを思い起こさせるA-4”I’m Gonna Be Your Man”はカナリいい曲! A-5”Matthew Fields”はスワンプっぽくイマイチ。
B面に行くと相変わらずコーラスがゴキゲンなロックB-1”Blue Bus”が。ジョー・サプート曲B-2”I’m Leaving”、B-3”Poor Country Boy”やロブ・リッグス曲B-4”Meet You In The Morning”はどちらかと言えばややスリリングさに欠けるか。ラストは軽快なカントリーB-5”My Last Rodeo”にて明るく終了。
とにかくA面1〜4は捨てがたい完成度。