いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Dewey Martin And Medicine Ball

markrock2007-01-02

/ Same ( UNI 73088 / 1970 )


バッファロースプリングフィールドのドラマー、デューイ・マーティンのソロ作。バッファロー以前のキャリアもかなり長いお人。近年もブルース・パーマーとの再編バッファローでビデオまで出してましたが、この唯一のソロ作、デューイのディープでソウルフルなボーカルが堪能できるナカナカの盤。レイ・チャールズがロックを歌う、みたいな。バンド名にひっかけた、ヒッピー世代ならではのネイティブ・アメリカン仕様なジャケも好み。


バッファローと言うと解散後のCSN&Y、ポコという2大バンドに注目が集まるのだが、このデューイのバンド“メディシン・ボール”もそうそう悪くなかったと思う。メンバーは他にビル・ダーネル(ギター)、ピート・ブラッドストリート(ピアノ・ギター・オルガン・ボーカル)、バディ・エモンズ(スティール)、ランディ・フラー(ギター)、ハーヴィー・ケーゲン(ベース)、スティーヴン・レフィーバー(ベース)、テリー・グレッグ(ベース)。メンバーチェンジがあったにせよ、ボビー・フラー・フォーのランディ・フラーやサー・ダグラス・クインテットのハーヴィー・ケーゲン、そして名セッションマンのバディ・エモンズが在籍していた。


どちらかと言えば好みはB面。とにかくデューイのレイ・チャールズ節が満載。B-1のビートルズ”Yesterday”なんてモロにレイなのだが、これだけ歌えれば文句ナシ。B-2”The Devil And Me”もバッファローっぽいフォーク・ロックをレイのボーカルで聴いているような感じ。コレ、ラブ・ジェネレーションに”Love Is A Sunny Sunday”を提供しているレイ・チェイフィンの作。B-3”I Do Believe”とB-4”Race Me On Down”は共にメンバーのピート・ブラッドストリート作なのだが、特にスティールとピアノが効果的なバラードの前者はかつてのバンドメイト、スティーヴン・スティルスが歌い出しそう。スティルスもかなりソウルフルな喉を持っていた。ニール・ヤングとの違いはソコでしたね。B-4はバディ・エモンズのペダル“ファズ”スティールが聴きモノ。


さらに、アソシエイションも1972年盤で取り上げていたがA-3”Silent Song Thru The Land”はロン・デイヴィス作(ロンのA&Mからの1stのタイトル曲)。B-5”Changes”も同じくロンの作。メロウ・スワンピーなロン・デイヴィスのソロ作『U.F.O』の素晴らしさはSSWファンには知られたところ。他にA面にはデューイのハードロッキンなオリジナルA-1”Indian Child”(ギターソロが熱い)、ザ・バンドの”The Weight”を髣髴とさせるA-2”Right Now Train”(コレをレイ・チャールズ声で歌うと言うことは、つまりリチャード・マニュエルが歌っている感じか)、ブルース・パーマー曲、その名もA-5”Recital Palmer”(デルタブルースっぽい弾き語りインスト曲)、さらにバディ・ホリーA-4”Maybe Baby” のカントリーロックカバーが収録されている。


そう言えばメディシン・ボールのメンバー、ランディ・フラーが在籍していたボビー・フラー・フォーのヒット”I Fought The Law”(クラッシュのカバーが有名ですが)を作曲したソニー・カーティス。彼はバディ・ホリーのバックを務めたザ・クリケッツのギタリストに招かれたのだった。ちなみにソニー・カーティスと言えばエヴァリー・ブラザーズに”Walk Right Back”を書き送ってもいるのだが、デューイはそのエヴァリーズのツアードラマーを務めた事もあった。


ちなみにデューイ、同じレーベルUNIからハンク・ウィリアムスのカバー”ジャンバラヤ”のシングル盤を出してるんですが、さすがに正直まだ手が伸びてません。持っておられる方はどんなものなのか、音を教えてくださいませ。