/ Last Man Standing The Duets ( Artists First 20001 / 2006 )
長生きするものですね。自分のことではなく、御大ジェリー・リー・ルイスのこと。”Great Balls Of Fire”、”Whole Lotta Shakin’ Goin’ On”…。サンレコードにおいてはエルヴィス、カール・パーキンス、ロイ・オービソン、ジョニー・キャッシュらと共にロックンロールの黄金時代を演出してくれた大御所が凄まじいゲスト陣を従えて、新譜をリリースしてくれた。ざっと共演者をリストアップすると、ジミー・ペイジ、BBキングにバディ・ガイ、スプリングスティーン、ミック&キース、ロビー・ロバートソン、ジョン・フォガティ、ニール・ヤング、リンゴ・スター、ロッド・スチュワート、クラプトン、リトル・リチャード、ドン・ヘンリー、クリス・クリストファーソン、デラニー・ブラムレット、マール・ハガード、ウィリー・ネルスン、ジョージ・ジョーンズ、トビー・キース、キッド・ロック。。ああ疲れた。とにかく同世代からチルドレン世代さらに新世代までジェリー・リーをルーツとする男たちが大結集。この一枚でロックの歴史を語れる顔ぶれ。鍵盤を叩くアクションがジェリー・リーなエルトン・ジョンはなぜか参加していませんが。
全21曲、66分お腹一杯ですが、ハイライトを幾つか。まず、冒頭M-1”Rock And Roll”は言わずと知れたツェッペリンの名曲をロックンロールアレンジで。イントロのペイジ自身のギターが熱い。それにしてもペイジってどうして後年衰えてしまったのだろう。M-3”Pink Cadillac”では、ロックの殿堂ライブで共演していたスプリングスティーンががなりたてる。ザ・バンドのA-6”Twilight”ではロビーのすすり泣くギターが久々に。さらにCCRの”Travelin’ Band”ではフォガティ自身の取るボーカルが最高!!一番現役感あります。ジェリー・リーも負けてはおらずかなり熱い仕上り。さらにM-9”Sweet Little Sixteen”は”サーフィンUSA”の原曲となったチャック・ベリー曲。リンゴ・スターがヌボーと歌うがドラムスはジム・ケルトナー。カール・パーキンスとのロカビリーセッションの如くリンゴに叩いて欲しかった気も。M-17ではビートルズの”I Saw Her Standing There”をリトル・リチャードと共に。リチャードのボーカルをもう少しフィーチャーしても良かったかも。キッドロックとM-11”Honky Tonk Woman”もロックンロールアレンジでなかなか。ストーンズのメンバーもそう言えばM-4、M-8に参加している。取り上げはしなかったがカントリーものも沁みました。
「ロックンロール」は「揺らす」と言う意味。セックスを表すスラングだ。若者の性衝動がとりわけ戦後ポピュラー音楽の源泉であることは言うまでもないわけだが、ジェリー・リー自身も13歳未成年の従兄妹と結婚するスキャンダルで叩かれたお盛んな人物。老いてなお。兎に角、元気でいればいいこともあるんですナ。