いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mikaela Band)

markrock2006-10-29

/ ナルキッソス (コロムビアミュージックエンタテインメント / 2006 )


先日友人のありがたいお誘いとともに行って来たプロモ撮影イベント。往年のロックバンドの健在ぶりに高揚したものだが、とうとうフルアルバムが登場。初回限定の付属DVDには、そのプロモ映像が!さらにそのプロモの撮影スタッフはというと、『パッチギ』縁の井筒監督のスタッフ。映画も必見ですね。

さて、盤の中身をざっとチェックすると、やはり突き抜けているのがM-1”Big-Bang,Bang!(愛的相対性理論)”。松山猛-加藤和彦コンビと言うことで、70年代のミカバンドのブギ路線を忠実に引き継ぐ。それでいて、現代的な木村カエラの痛快なボーカルが見事に載っているわけで文句の付けようナシ。メロディックな3コードがどうにもイギリス的ですね。加藤のセンス。この1曲のシングルだと思ってアルバム買うのも正解。さらにツイストものA-2”Sadistic Twist”は奥田民生が作詞に加わっているが、彼が90年代末にパフィーで実践したものはやはりミカバンドだったということが判明。そして変わらぬ高中のギターがミカバンドの音なんですね。さらにM-3、”in deep hurt”は加藤のメランコリックなボーカルがブリティッシュビートバンドのバラードを髣髴させるが、よくよく聴いてみるとアルバートハモンドの”It Never Rains In Southern California”というか堺正章の”さらば恋人”というか。とにかく否応がなしに70年代。こう言うのが実は沢山聴きたいんですが。今回思いっきり叩いてくれている高橋幸宏、彼のM-4”The Last Season”、M-7”Tumbleweed”(Elvis Woodstock名義でリリー・フランキーが作詞で参加)のエレクトロニックなタッチは、ミカバンド的明快さを減じているが、悪くはない。小原礼のM-5”King fall”はラブ・サイケデリコか?というような英語と日本語のチャンポンだが、まあ小原の方がその筋では先輩だし。M-8”Jekyll”もどうにもロックな小原の個性。もう少しぶっ飛んだロックを聴きたかった気もするが。あと、クリス・モズデル声が聴ける高中のインストM-6”sockernos”という一品も。

あとはしかしなんだかんだ、サエキけんぞう作詞で加藤が歌うロックM-9”Low Life and High Heels”、さらにはキリンビールの衝撃的な再結成CMで使われたリメイクM-11”タイムマシンにおねがい(2006Version)”などの往年のロックサウンドがやっぱり良かった!M-11堂々としたカエラのボーカル、タダモノじゃないですよ。懐古趣味と言われるのを加藤はじめ彼らは嫌がるだろうけど、3コードの美学を若者に突きつけるだけで、いいじゃないですか!!