/ Something’s Gonna Happen ( Bad Girl Sounds / 2003 )
今年は『ロックスターの最期』なる新作も飛び出して、往年のポップスファンを驚かせたロニー・スペクター。ロネッツのリードボーカル(ヴェロニカ)で、フィル・スペクターの元妻…なんてのは言うまでもないジョーシキ。本作はロニーによるマーシャル・クレンショウ曲集で80年代後半のお蔵入り音源。昨日マーシャルを取り上げた時に、こんなのあったな、と思い出した。
5曲の内4曲はマーシャル自身がギターで参加している。M-1”Something’s Gonna Happen”はマーシャル版に勝るとも劣らない出来。ロカビリーと美メロの融合。マイナーとメジャーを行き来する辺りが職人芸のソングライティング。ロニーはと言うと、割とノって歌えている。後半、”Be My Baby”以来の“ウォゥ ウォゥ ウォゥ”の呪縛から逃れられていないフレーズが登場し、切なくなるが、まあいいだろう。エディ・マネーの”Take Me Home Tonight”に参加したときもあくまで“ウォゥ ウォゥ”言ってたし。あとはビートルライクなM-2”For His Love”、M-3”Whenever You’re On My Mind”、M-4”Communication”、M-5”Favorite Waste Of Time”という布陣。シックスティーズサウンド全開で大満足。しかし、M-5など、ちょっとロニーがノリ切れてない気も。世代の断絶は致し方ないか。