/ in the lounge with... ( Columbia / 2001 )
男性ジャズ歌手の大御所と言えばメル・トーメ!シナトラさんなんかと共にクルーナーと分類される人なんでしょうが、シナトラに比べ、よりヒップな存在として死後もファンを惹きつけてやまない。で、この編集盤『in the lounge with…』はシックスティーズのヒップな楽曲のみを厳選収録した良好ベスト盤でソフトロック好きにも十分訴える内容。アートワークも良い。
ジョニー・リヴァースのヒット、P.F.スローン作のM-1“Secret Agent Man”を歌っていたなんて、コレ聴くまで知りませんでした。1925年生まれとは思えぬ若い選曲眼。。後にドナルド・フェイゲンもカバーしてますし。ボブ・ドロウ作”Comin’ Home Baby”はジョージ・フェイムを聴いているかのようなモッドな感じ。M-3ではフォークにも挑戦、PP&Mやトリニ・ロペスでも御馴染み”If I Had A Hammer”だ。とは言え、パーカッションが入りラウンジな音に作りこまれており、カッコイイ仕上がり也。さらに、M-9”Haven’t We Met”はオリジナルアルバムでは『That’s All』収録。もちろんコレ、ケニー・ランキン作のとろけるような極上ボッサジャズ!カーメン・マクレエのカバーもある。滑らかなケニー版よりもスウィング感がある所がGood。しかも、ケニーがデモでファルセットで歌っていたと思しき箇所をなぞっているのが微笑ましい。また、同様『That’s All』収録のM-10”I’ve Got You Under My Skin”もストリングスを交え、ボッサアレンジが施されており、必聴。また、シナトラの十八番とも言えるM-14”New York New York”は、オレは違うぞ、とばかりにアップテンポにアレンジされ、なんともオシャレ!
『in the lounge with…』シリーズはアンディ・ウィリアムス盤もマスト。