いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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Leah Kunkel

markrock2006-07-02

/ I Run With Trouble ( CBS 36398 / 1980 )


1982年ジミー・ウェッブの名盤Angel Heart収録の”Our Movie”(グレン・キャンベルのレコードもある)ではグラハム・ナッシュと共に、忘れがたい清涼なコーラスを聴かせてくれたリア。コレの雛形がセカンド『I Run With Trouble』冒頭のM-11”Let’s Begin”。ジミー・ウェブ第二の全盛期の好曲で、抑制された哀しみが伝わってくる感じ。ナッシュとリアのコーラスの相性は抜群だ。Angel Heartの質感を求める向きには隠れた名曲か。さらに2曲はリアの自作が続くが結構出来がいい。M-12”The Only Man On Earth”はスティーブン・ビショップがギターでサポート。この盤、バックに全編TOTOの面子が顔を出しているがそれは前作も同様。まあこの時代、西海岸の音にはたいてい彼らが絡んでいたと言ってもいいか。哀愁ロックM-13”Temptation”もナカナカな曲で、旧友ジェイムス・リー・スタンリーがコーラス参加。M-14”Hard Feelings”はデビュー作でも取り上げていたピーター・マッキャン作のバラード。ピアノ一本で切々と歌う。M-15”Never Gonna Lose My Dream Of Love Again”は再びジミー・ウェッブ曲。ここでもナッシュが絶妙のコーラスを聴かせる。ウェッブの新作収録のAngel Heartのアウトテイク等と共に80年代初頭のウェッブの仕事を纏めてみても面白そう。そう言えばウェッブ作”Scissors Cut”のアーティ版でもリアが特徴のあるコーラスを響かせていた。さて、M-16”Someone On Your Mind”はMFQで御馴染みのチップ・ダグラス作。グッドタイミーな音に、ほんわかいい気分。M-17”Dreaming As One”はデビュー作でも曲提供していたウィリアム・D・(スミッティ)・スミスがデヴィッド・パーマー(元ミドル・クラス〜Quinaimes Band〜スティーリー・ダン〜Wha-Koo)と作ったバラード。コーラスにスミッティと、リアよりハイトーンか?、と思わせるデヴィッド・ラズリーが参加。どうでもいいがラズリーはゲイです。M-18”Heart Of Stone”はハーラン・コリンズ作の耳に残るバラード。ハーランは前作でも素晴らしい曲を作っていたが、以後たいしたキャリアが見当たらない、惜しい人だ。M-19”Fast Asleep”はクレイグ・ドージとジュディ・ヘンスキ作の迫力あるバラードでクレイグのピアノをバックに。ラストのタイトル曲M-20はドン・ヨーウェル作のポピュラー調哀愁バラード。ヨーウェルは無名に近い人物だが、デヴィッド・ラズリーのソロ作『Soldier On The Moon』で曲を書いていた。

ということで2作目はとにかく前作を踏襲している姉妹作の趣きで、クオリティは落ちていない。しかし残念なことにソロ作は以後出て来なかった。レネ・アーマンドとマーティ・グウィンとのトリオ、コヨーテ・シスターズでは1984年に『The Coyote Sisters』を出しているが、デジタルロックな作りであまりピンと来ない。以後のデュエットセッションで印象的なのはリヴィングストン・テイラーとの”Loving Arms”(トム・ヤンスの名バラード)、アート・ガーファンクルとの”I Have A Love”、バリー・マンとの”Here You Come Again”あたりか。現在リアは弁護士が本業と言うことだが、コヨーテ・シスターズのサイトでは2001年の新作『WOMEN AND OTHER VISIONS』が買える模様。視聴したが、正直まあまあと言った所。やっぱり楽曲命なのかも。その意味でも今回リイシューの2in1は買いです。


http://www.coyotesisters.com/