/ Gately :Still’ Round ( Janus JLS 3049 / 1972 )
情けなくも入手に時間をかけてしまった、巨漢マイケル・ゲイトリーのセカンド。無茶苦茶良かった!かなりアクースティックメロウな囁き盤で、冒頭A-1”With You Today”の洒落たグルーブですっかり参ってしまった。と思うとA-2”No Dry Change”はチャーチリックのアコギに始まる、カントリータッチの曲。サビは割とキャッチーだ。A-3”You Just Run Away”は「ライオンは寝ている」や「サッド・アイズ」で御馴染みのロバート・ジョンとの共作。センチメンタルな名曲!この感覚を求めていたのだった。そもそもロバート・ジョン‘60年代のソフトロック名盤『If You Don’t Want My Love』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20050321)において、ロバートとの共作曲の高いクオリティに注目したのがマイケル・ゲイトリーとの出会い。ロバートは本盤のプロデュースもマイケルと共に手がけ、コーラス参加も。A-4”Did The Mornin’ Tell You”もカントリータッチだが、張らずにささやくボーカルがいい。巨漢に似合わず、と言っては失礼だけれども、なんだかファンになってしまう。A-5”You’re Too Busy Being Free”はジョージ・ハリスンみたいなスライドをデビッド・スピノザが弾いている。ロバートとの共作で、やはり冒頭のセンチメンタルなムードといい、サックスの入るグルーヴィーな間奏といい、別格の良さ。
B-1”Country Ladies”は粘っこいラテンロックの趣きで驚かされる。B-2”I Couldn’t Love You More”はロバート・ジョンとの共作でメジャーセヴンスが心地良い。B-3”All Too True Blues”は一転ロックンロール曲で、これはイマイチ。B-4”Will You Be There”はまたまたロバートとの共作で甘甘なメロウ曲。いいです。B-5”I Don’t Know If I Should Love You(Lynn’s Song)”はニューソウル的な質感を持っている。マイケルとロバート・ジョンが共にコーラス参加しているアル・クーパー『赤心の歌』と並べて聴きたい所。マイケルさん、演奏に埋もれそうな奥まった歌声がクーパーとよく似ている。ラストB-6”But Then Again”はマイケルのアコギとコーラスが美しく、さりげなくかなりいい。
ちなみにこの盤、ドラムスはリック・マロッタ、ベースはステュ・ウッズ、アコギではスチュワート・シャーフが参加している。アル・クーパーがプロデュースしたファースト『Gately’s Cafe』もまだ持っていないのが悲しいが、この盤日本では余り安くないんですよね。