/ Friends & Legends ( MCA 372 / 1973 )
ウェストコーストのミュージシャン大挙参加のカントリーロック盤。プロデュースは、ジョー・ウォルシュのいたジェイムス・ギャングを手がけ、後にはウォルシュが加入したイーグルスを手がけることになるビル・シムジク。シムジクは本作の主人公スタンリーがマイケル・ギー名義で参加していたフォークロックバンド「シルク」(1969年にアルバムを一枚残している)でもプロデュースを手がけていた。
バンドはスタンリー自身に加え、ジョー・ウォルシュ、ポール・ハリス、ジョー・ヴァイタール、アル・パーキンス、ジョー・ララなど。マナサスの布陣とも何人かは重なっている。コーラスではリッチー・フューレイにダン・フォーゲルバーグの顔が見える。中身はというと、欲を言えばジャケのイメージ通りにもっとカラッと作って欲しかったところ。
A-1”Among My Friends Again”からコーラスが気持ちいい、好カントリーロック。割と感傷的なメロを持つところもポイントが高い。A-2ではビートルズの”Help”をスローなカントリーサウンドに仕上げている。A-3”Yours For A Song”はアコギの音色がいい。ウォルシュのギターも入って、後期のイーグルスみたいな音。A-4”Let’s Get The Show On The Road”はちょっとハードに迫る。”天国への階段”のサビのコード進行ですね。デヴィッド・ボウイの”ジギー・スターダスト”というか。B-1”Just Keep Playing Your Radio”はカントリーにソウルっぽいリズムを加えた感じ。フルートが入るラテンなひんやりムードのB-2”Roll On”はなかなか当たりか。ジョー・ララの色だろう。ロック曲B-3”Bad Habits”ではウォルシュのギターが目立つ。ウォルシュってブルージー過ぎてガンコなブルーズロックとして聴けば悪くないのだが。すごい主張します。でもそう言えばしばらく前のイーグルス来日公演ではハッキリ言ってウォルシュが引っ張ってたかも。一番現役感あったと言うか。ポール・ハリス大活躍のジャムセッションB-4”Funky Is The Drummer”は曲名のままファンキーなノリ。ここまで聴いていると誰のレコードを聴いていたか一瞬失念。しかしここでは、そうなんです、デヴィッド・サンボーンが吹いていました。さらにサックスのプロデュースのクレジットにはJ.ガイルズの名も。ラストB-5”Poet’s Day”もギタージャムが目立ち、良くも悪くもウォルシュの色。
ちなみに彼、後にマイケル・スタンリー・バンドでも成功を収め、まだ現役だ。