いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
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『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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 Peter Cetera & Symphony Orchestra

markrock2006-06-13

/ Live In Salt Lake City (Brilliant BT33092 / 2004)


これぞアメリカ人、とでもいいたくなるような風貌の元シカゴ、ピーター・セテライーグルスドン・ヘンリーとかと同種の伊達男である。このライブ盤、2003年にシンフォニーオーケストラをバックに行ったツアーの音源をパックしたものだが、ピーター自身が公認していないにも関わらずなぜか市場に廉価盤の形で広まってしまっている。ファンとしては本人の意思に反する盤ということで入手に関しては良心が痛んだが、ツアーでの来日も無かったわけで、楽しませてもらった。(ちなみにDVDも同様非公認だが出ている)

さて、内容だが、ゴージャスなバラードをオーケストラ+ピーターのアコギで聴かせる。何より年齢を感じさせないハイトーンに涙。確かに非公認なだけにノイズが入る曲もあるのだが、とんでもないブートを聴きなれた私の耳には限りなくオフィシャル盤に近く感じられる。ビル・ラバウンティも作曲に加わっている、映画『プリティ・ウーマン』挿入歌”No Explanation”はなぜだか空港を思わせるロマンティックな曲。これのアクースティックバージョンが聴きたくてそもそもこの盤を入手したのだった。その他、かつてのシカゴの楽曲からは”If You Leave Me Now”、”Baby What A Big Surprise”、やはりピーターじゃなくてはダメな”Hard To Say I’m Sorry”(Getawayも再現!)などを。そうそう、ギター弾き語りを主にした”25 Or 6 To 4”が意外なアレンジでとても良かった!もちろんシカゴのダイナミズムを求める向きには物足りないかもしれないが、耳馴染みのいいソフトサウンドがお望みであれば、過去作と近作の溝を感じさせない統一された、素晴らしい流れ。

最近シカゴとアース・ウィンド&ファイアーの競演ライブ『ライヴ・アット・ザ・グリーク・シアター』を見てみて思ったのは、ピーター役はやはりピーター自身でなくてはならないと言うこと。ピーターのクローンとしての役割を果たさざるを得ない宿命が可哀想にも思える現シカゴ、ジェイソン・シェフ(ジェリー・シェフの息子)もライブだと音程がなぜか不安定。それは来日公演を見た時にも感じられた。そう考えるとこの盤は非公認ではあるがホンモノに出会えるでかした盤。ピーターの諸作を全て持っているファンならば購入を躊躇ってはいけない。