/ Love, A Feeling Of ( Warner WS-1706 / 1967 )
モダン・フォークの雄、チャド・ミッチェル・トリオ解散後のソロ作。後任はジョン・デンバーであったことは余りにも有名。解散後はポピュラー風情の盤をリリースしている。
とにかくボブ・ドロウとスチュワート・シャーフのサポートがこの盤の要。ソフトロックの視点から評価が高いアルバムだが、確かにジャズを味付けとして使っている辺りがなんともヒップだ。やはりいいのはそうした路線の冒頭A-1”Better Than Anything”。タック&パティや、当のボブ・ドロウも大名盤『Just About Everything』で演っている、Bill Loughbroughの曲。S&GのA-3”A Poem On The Underground Wall”はウォルター・レイムの編曲で、オリジナルよりスロウな感じ。個人的にはイマイチか。しっとりとしたA-4”As Time Goes By”を挟んで、メリハリの利いたA-5”The Life That We Lead”は悪くない。B-1は急にレナード・コーエンの”Suzanne”を、オーケストレーションも入りつつ、フォーク・ロック的に聴かせる。まあフォークの楽曲だと途端に本領発揮しますね。割とノッて歌うジャズ・ブルーズB-2”Poems To Eat”に続く、B-3”Without Rhyme Or Reason”はおそらくスチュワート・シャーフの生ギターに合わせて切々と歌う冒頭から、ドロウのピアノが入ってくる辺りが素晴らしい、名テイク!ドロウ/シャーフのコンビがプロデュース、アレンジ、ソングライティングに大活躍するスパンキー&アワ・ギャングでも後にカバーされている。つまりこの盤はコンビの出会いの盤。シャーフ作曲のソフトロック佳曲B-5”Jane,Jane”も同様スパギャンがカバー。そもそもチャド・ミッチェル・トリオのサポートギタリストがシャーフのデビューなのであった。時代は進むが、1975年のスチュワート・シャーフのアルバム『The Disguises Album』は初期マイケル・ジョンソンを髣髴とさせるまろやかなガット・ギターが和ませてくれる激名盤!久々に取り出して聴いている。
最後に、調べてみると、この音源『Himself』と2in1でCD化されてるんですね。レコじゃなくそっちを買えばよかったとちょっと後悔。