/ Same ( Capitol ST-11684 / 1977 )
「ウッドストックに最も似つかわしくない男」と呼ばれた天使顔バート・ソマー、1977年、4枚目のソロ作。元々はバロック・ロックとも形容され、”Walk Away Renee”で知られる60年代のバンド、レフト・バンクの途中加入メンバーだった。ヒットした”プリティ・バレリーナ”では曲作りにも関わっている。この盤、ジャケからすると割とフォークっぽいSSW盤だと思われるのだが、実はエリック・カルメンがいたラズベリーズみたいなパワーポップ盤。カルメンも同様多大な影響を受けたビーチボーイズを所々引用しながら、甘酸っぱいポップスを展開。先に成功を収めていたカルメンのソロ作がやはり念頭にあったのかも。そう言えばカルメン1996年の復活盤では逆に”Walk Away Renee”のカバーが収録されていた。冒頭のA-1”Give It To Me”からビーチボーイズ風コーラスが絡む。全曲バートの作曲。パワーバラード”When You Feel It”、ゴスペル風バラード”Someone Like Me”も相当いい感じ。演奏はギターにヒュー・マックラケンやデヴィッド・スピノザ、ベースはウィル・リーにアンソニー・ジャクソン、ピアノにポール・シェイファー。製作はロン・ダンテ プロダクションズ!ハーモニーボーカルでもロン・ダンテが参加しており、アルバムはアーティ・リップに捧げられている。どう考えても胸キュンポップなB-2”We Sail Tonite”も必聴。ソフトロックなラストB-5”Never Go Back”まで曲がまとまっている。バートの作曲の才を遺憾なく発揮した盤だが、ソロ作としてはこれが最後になってしまったのがなんとも残念!しかも調べてみると1990年に亡くなっていたそうで、それもまた残念!
P.S. Rev-Olaから1968年の1st『Road To Travel』がリイシューされているのを発見。そう言えばMama Cassの妹でRuss Kunkelの元妻、Leah Kunkelの1st『Leah Kunkel』もRev-Olaから6月26日に再発だ。Stephen Bishopの”Under The Jamaican Moon”を含む佳作。以前Stephen来日時に、Leahのアルバムでこの曲を聴いたよ、と言ったら驚かれた。おそらく本国ではあまり売れなかったのだろう。個人的にはJimmy Webb提供の”Let’s Begin”を含むセカンド『I Run With Trouble』の方が好みだが。