さらに遡ると、今月は定期的に巡回している吉祥寺のチェーンCでも幾つか拾った。ココの店長さんは私の大学の先輩にあたるらしい。70年代邦楽の廃盤CDで当たりが多い店で、既に持っているし買わなかったが小坂忠とフォージョーハーフ『もっともっと』が2600円くらいで転がっていたりする。尤もサンプル盤ではあるが。
このチェーンも100円〜500円盤に魅力が。特に池袋のCはダブったレコは安くなっており、Chip Taylorの70年代佳作あたりなら300〜500円位だろうか。80年代のレコでも美品が揃っている。またいかなる安レコにも分厚い外袋がついてくるのも太っ腹で好感触。ということで久々に覗くと、未開拓と思われていた日本のシティポップ盤にちゃんとした値がついていてガッカリ。山本コウタローのLA録音盤など昔なら100円箱に転がっていたのに1500円位のいい値がついていたりして、店も知識武装し始めたなとスタッフを睨みかえしてみる。まあ諦めて安レコ箱を漁るとGordon Lightfootの『If You Could Read My Mind』(Warner /1971 )を300円で発見。言わずもがなカナダの大御所SSWで、全て彼の曲で埋め尽くしたアルバムを作ったTony Riceなどブルーグラスプレイヤーにも好まれる作風。ディランでさえも敬意を表している。これ、気づかなかったがバーバンク一派の作品なのですね。Randy Newman、Van Dyke Parks、John Sebastian、Nick DeCaroにRy Cooderとまあスゴイ顔触れでなぜ買い逃していたのかと不思議に思う。さらに売れたファミリーもの『The Partridge Family Notebook』(Bell /1972)を100円で。盤は汚いが前の持ち主は何べんも聴いたんだろうなと思いを馳せる。Wes Farrel、Danny Janssen、Bobby Hart、Tony Romeo、Barry Mann-Cynthia Weil、Austin Roberts、Cymbal&Clingerとまあ作家陣は非のうちどころナシ。さらにJan & Deanの再結成盤と思しき『Gotta Take That One Last Ride』を400円で発見し2枚組でかさばるとはいえ意気揚々抱えこむが、帰宅して、Mike Loveも参加した80年代の盤ではないことを知り、激しく萎える。CDで持っているものと重複した寄せ集めベストであった上にカビのヤツめが酷く、二度萎える。あとはMac McAnallyのAriolaからの1stも500円位であってなんだか買ってあげたくもなったが既に持ってもいるしやめる。さらにCDではキーボード主体の音作りが現在も新鮮に聴こえるDeacon Blueのベスト盤『Our Town The Greatest Hits』(1994)が300円とお買い得なのですかさず。名盤『Raintown』のみ持っていたのだが、バカラックナンバーなども良く、当たり。そして邦楽ではGAROの”学生街”入りの『GARO2』のサンプルCDが500円だったのは儲けモノ。これでレコは出さずに済む。
立ち寄る頻度で言えば一番であろうチェーンD・Uは入れ替わりが早くウレシイ限りだがこの日は割と不発。と言っても女性フォークSSWであるRaun MacKinnonの『RAUN Is Her Name!』( Kapp KS-3556 / )を720円で。思ったほどカラッとした作りではなかったが悪くない。さらに気分でしかないがTony Orland & Dawnの『The Definitive Collection』なるベスト盤を560円で購入。98年のリマスターということだが、音にまで拘って聞く代物でもない。良く考えてみるとBarry Mann曲をレコーディングしているアイドル歌手時代のTony Orlandのレコから入手したのは時代順とはいえ順当ではなかったかもしれない。帰りには全国展開の古本チェーンBで250円棚を漁り、パブロックChas’n’Daveの見慣れないベスト盤なんかを拾うが、このチェーンは風情もヘッタクレもないので、省略。(つづく)