いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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 Music & Songs from Starlight Express 

markrock2005-05-09

(MCAD-5972 /1987)


これはCatsやThe Phantom of the Operaで知られるAndrew Lloyd Webberのミュージカルサウンドトラックのレコーディング版。El DeBargeの歌うタイトル曲M-1などは80'sバラード好きにはたまらない佳曲で、この一曲のみJay Graydonプロデュース(他は数曲除きPhil Ramone)。全体的には、映画サントラ全盛時代ということもあり、ミュージカル作品といううよりもフットルースの線の定番80'sサウンドのオンパレードで、実に気持ち良い仕上がりだが、カントリーっぽいものがあったり(Richie Havens!の歌う M-13"Light at the End Of The Tunnel")、R&B風(M-6"Pumping Iron"、M-12"One Rock & Roll Too Many")があったり新境地も。

特筆すべきはその内M-6、M-12で、なんとソロデビュー前のMarc Cohnが渋いシャウターR&Bボーカルを披露している。Marc Cohnはまだ3作と寡作ながら、30代後半にもなった1993年、(James Taylorのバックアップもあり) 感動的な"Walking in Memphis"を含むアルバムMarc Cohnでデビューした苦労人。Crosby & Nash、Jackson Browne、Jimmy Webb、Kris Kristoffersonなどとの共演もあり、ロック現役世代に絶大な支持を仰ぐSSWだ。個人的にはかなり好きな歌手でもあり、思わぬ発見に大感動。

とはいえアルバム全体の白眉はJosie Aiello and Peter HewlettのデュエットバラードM8"Only You"あるいはRichie Havens and Peter Hewlettの壮大なバラードM-11"I Am The Starlight"か。Richie Havensの野太い歌声は実に歌心いっぱい。ちなみにRichieは80年代〜90年代に素晴らしいボーカル名盤を残している。例えば1991年のNowはジミヘンの"Angel"の涙モノのカバーや、Cyndi Lauper"Time After Time"のこれまた味わい深いカバー、そしてDavid Growの信じられないくらい素晴らしいバラード"After All These Years"を収録。その他Nick JamesonやTim Mooreなどの佳曲をアーバンコンテンポラリーサウンドに載せて奏でる、時代を超えた定番作だ。また時代は遡るが1981年作Connectionsも、メロウな名バラードM-1“Mamma We’re Gonna Dance”を筆頭に、Tom Waitの"Ol '55" やSam Cooke の"You Send Me"、Paul McCartney "Every Night"、Stevie Nicks "Dremes"等のカバー曲も交えながら、Jeff Baxter、Elliot Randell、David Spinozza、Richard TeeChuck Rainey、Steve Gadd、Andy Newmarkなど豪華な面子で聴かせる名盤。コーラスにLou Christieの名も。しかしながら、思い返してみればウッドストック ”Freedom”の怪演が全ての始まりだったRichie Havens。まさか30年後、クワイエットストームを演出するバラーディアーになると誰が想像できただろうか。’60〜’70年代ロックファンには黙殺されがちだが、全くもって見逃せない。