/ Same (Scone records WRC1-2797 /1981)
カナダをベースに活動を行う女性歌手の1st。これは非常に素晴らしいポップ/フォーク盤。自らもジャズ・フォーク・ポップの融合を掲げているが、本作はポップ寄りのとても聴きやすい作品で木漏れ日注ぐ日曜の午後を演出してくれる名盤。ポップロック全盛時代にあってひっそりリリースされていたカナダSSWものの完成度には、自主盤でもクオリティが高いのだから、やはり驚かされる。冒頭A-1 ”The Moon at Sunset Bay”からまばゆいFender Rhodesにやられる。(Fender RhodesのDavid McMorrowはMarc Jordanのライブにも参加している人物)A-3 ”Beauty is”はボッサ。スムースなボーカルでかなり出来がいい。A-4 ”Dancing With Her” あたりはドラムスやエレクトリックギターがピアノに絡む当時のウェストコースト風ポップ。カーラ・ボノフの諸作に近い感じか。弾き語り風(というのは自身のピアノではないから)A-5 ”Part-Tme Angel”はローラ・ニーロ風。ハイトーンのボーカルの音色がそういえばローラのイメージと被る。自身の多重コーラスもいい雰囲気。B-1 ”Space-Age Primitives”は、Susan自身のアコースティックギターのリフにベースと宇宙感を出すシンセが被さる。アフリカンドラムも加わりエキゾチックな感覚も。とはいえAOR風の音作りで泥臭い感じには全くならない。B-2 ”Your Lovin’ Eyes”はホーンも加わりソウルっぽさもありなかなか。幻想的なB-3 ”Peacock Eyes”はJimmie Spheerisを思わせ、ジャケットから想像される音そのもののフォークっぽい作品。ちなみに彼女、10代でイスラエルに移住し音楽活動を本格化させるが、そこでの活動はモントリオールで製作されたSusan & Franとしてレコードに刻まれているようだ。現在の活動は下記を参照。