いや〜狂ってるぐらい良いですねぇ。ルースターズのベスト。スカ・パンクな”ロージー”を初めて聴いたときは度肝を抜かれた。スカパラがミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケを加えた演ったヴァージョンがあったけれど、音楽とはこうして後進に影響を及ぼしていくのだという素晴らしい一例。1979年結成、福岡らしいブルーズをルーツにもつソリッドなロックンロール・バンドですよ。めんたいロック。”恋をしようよ”とか、最高ですよね。オリジナルメンバーは大江慎也、花田裕之、井上富雄、池畑潤二。井上富雄は現在、佐野元春のThe Hobo King Bandのメンバーでもある(今度の5月に『自由の岸辺』という新録盤が出る)。パンク/ニューウェイブの流れも汲んでいるけれど、時代の経年変化に耐える初期の楽曲に魅力があるような。もっといえばファーストに尽きる。母体バンドの名前は「人間クラブ」っていうんですね。昨今巷で話題の「台風クラブ」みたいな、字面だけみると、そんな雰囲気にも思えたり。大江慎也は精神疾患で脱退、その後相当紆余曲折を経たようだけれど、歳を取ろうがおかまいなしで現在もプレイしているのが兎にも角にも素晴らしい。
ちなみに購入した『Collection 1980-1984』のLP。本当にボロボロ。レゲエとかロックンロールは大抵持ち主の扱いが雑で美盤が少ない(笑)しかも元の持ち主がボールペンでレーベルに「Caution! バンがそっています」なんて書いている。
いくら800円でもそりゃないよ、と思いつつ確かめると、本当に反っている。でもトレースできたので問題ナシ。以前どこかで買った1981年3枚目の『Insane』の裏ジャケにはメンバーのサインがあったけれど、このアルバムが録音された時のオリジナル・メンバーは花田裕之しかおらず、下山淳とか安藤広一、灘友正幸、柞山一彦はどんな気分でサインしたんだろう。
そういえば灘友のバンドORTHODOXの『SIMPLE』 (1987)は凄く良くできたアルバム。エルヴィスの”好きにならずにいられない”とか、おそらくビートルズ版を下敷きにした”ロックンロール・ミュージック”、ニック・ロウ〜ロックパイルの”ハート”、デイル・ホーキンスの"スージーQ"、それに和モノではベンチャーズ歌謡”京都の恋”や外道の"悪魔のベイビイ"なんかを料理したカバーモノのガレージ・アルバム。タイトル通りこういうシンプルなロックンロールは好みだ。シーナ&ザ・ロケッツの奈良敏博、じゃがたらのEbby、The RydersのOHNOなどが参加している。