いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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OASIS (Linda Hennrick & Tomio Terada) / Same( Bourbon Records / 1982)

markrock2018-01-28


先日引越しに伴って、何気なくアナログ・ターンテーブルのピッチや回転数の点検をしたところ、かなりズレていて驚いた。これまで全く気付いていなかったという。いい加減なもんです(笑)。確かめてみたところ、CDは流石ですね。まったく狂いがない、って当たり前か。針の角度もありますから、水平器使ってターンテーブルを平らに置くとか、そんな当然のことも忘れていた。愛用の、もう倒産してしまったVestaxターンテーブル。初期設定だと、45回転も33回転も回転数が遅くなっていて、ピッチも半音ずれていた。たぶんモーターがもう悪くなっているのかも。ただ、幸い0〜78回転まで、回転数を手動調整できるモデルなので、楽器片手にCD音源で聴き比べながら、地味に合わせてみました。ただ、機械のようなピッタリの音程はどだい無理だと気付く。ギターと合わせると、誤差レベルのごくごく微妙なズレがなくもないような。ただ、アコギも実は比較的音痴な楽器だから、そもそもそんなに厳格ではない気もする。まあいいか。



ここ半年は80〜90年代のレコードの落穂拾いを続けている。90年代はDJブームもあったから、実は意外なLPが出ている。最近その時代にLPで出ていたものが再びLPで再発されているけれど、オリジナルとはまた音が違ったり。そういえば、最近定点観測している東京のレコード屋さんに欧米圏からのお客さんが確実に増えてますよね。スーツケース片手に、熱心にレコを掘っている。大貫妙子とかシティ・ポップを探しにやって来た、なんてTV番組もありましたが、あの感じ。欧米にひたすら憧れた日本人のポップスが、世代を一回りして、逆に新しいというのも面白いけれど。ちなみにそうした海外でも評価されるクオリティの高い日本のポップスの原点はハリー細野だと改めて思ったり。

さて、本日の1枚は日本人初のMGM契約アーティストだった寺田十三夫と作詩家リンダ・ヘンリックのデュオ、OASISギャラガー兄弟とも、ピーター・スケラーンがメアリー・ホプキンと組んだグループとも違う。寺田十三夫は信天翁(あほうどり)』などが2000年代初頭に再発見されてフリー・ソウル世代に人気を博した。個人的にはアサイラム時代のネッド・ドヒニーなんかとイメージが被る。薄口で、ちょっと育ちの良いイメージを感じるから。1曲でもヒット曲があれば、また違ったイメージになったのだろうけれど。とはいえ今も現役で作品を発表するなど活躍している。


そしてリンダ・ヘンリックはTHE ALFEE、安全地帯、杏里、井上大輔小比類巻かほる斉藤由貴白鳥英美子杉山清貴鈴木聖美渚のオールスターズなどなどに英語詩を提供した人。「憧れの洋楽」の国産化に力を尽くした人、といってもよいのかも。湯川れい子もそうだったけれど。で、このデュオは二人の姿を背景に退かせて、80年代初頭らしい爽やかなリゾート・ポップスを作り上げている。ほぼ英語詩だけれど、ときどき日本語も。オールディーズ風味やウェストコースト・ロックといったアメリカンな色に曲によってはテクノな色が嫌味にならない程度に入ったり。個性をあえて消している感じはあの時代のNobodyみたい。いや、やまだあきらとのカルト名盤が日本の70年代パワーポップ作として再評価された荒木和作が80年代に作ったほぼ覆面バンド、 fay'sみたいな感じかな。リンダと寺田が曲を書き分ける中、小椋佳が”Radio”に英語交じりの詩を提供したり、60〜80年代の英米ロック邦盤の訳詩のほとんどを手がけたといっても過言ではない武内邦愛さんがリンダの英語詩をわざわざ日本語に訳して、それをリンダが歌っていたり、というのも面白い。ちなみに武内さんは私の実家の数軒隣にお住まいでした。スペシャル・サンクスに「California Blue Sky」なーんてあるのも、時代ですね〜。