いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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[NEW!!]11月15日発売のレコードコレクターズ12月号に加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(明月堂書店)の書評が載りました。
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[NEW!!]編集・ライターを担当した加奈崎芳太郎著『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(エルシーブイFM「加奈崎芳太郎のDIG IT!!」書籍化)が2019年8月に発売されました。
●加奈崎芳太郎著・桑畑恒一郎写真
●定価:本体3000円+税
●A5判(上製)416頁

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【メディア掲載】
『毎日新聞』2019年10月3日掲載 「元「古井戸」加奈崎芳太郎さんが本出版 音楽活動50周年の集大成」
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『長野日報』2019年9月25日掲載 「音楽文化で伝える戦後 パーソナリティのFM番組まとめ 加奈崎さん書籍刊行」
極北ラジオ石浦昌之の「哲学するタネ」が書籍化されました。
『哲学するタネ【東洋思想編】――高校倫理が教える70章』(石浦昌之 著)2018年9月発売!!
●石浦昌之著
●定価:本体2500円+税
●A5判(並製)384頁

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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【ブックガイド掲載】
斎藤哲也『もっと試験に出る哲学――「入試問題」で東洋思想に入門する』(2020年、NHK出版新書)

Peter , Paul and Mary / 10 Years Together The Best of Peter , Paul and Mary

*[フォーク] Peter , Paul and Mary / 10 Years Together The Best of Peter , Paul and Mary ( Warner / 1970 )

 

気付けば年末…毎年こんなことを言ってる気もしますが。昨日は三鷹の愛すべき中古レコード店パレードをいつも通り訪ねると、お店に置かせてもらっている加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』のチラシが捌けたとのこと。早速追加のチラシを置かせて頂けることになった。有難いことです。地道なプロモーションが大切。

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そんなこんなで6枚くらいのレコードを買い求めたうち、特に「おっ」と思ったのは、選曲がとても良いので昔CDで愛聴していたピーター・ポール&マリー(P,P&M)のベスト盤10 Years Together The Best of Peter , Paul and Maryアメリカ盤オリジナル、70年代初頭ワーナーの深緑ラベルが300円だった。改めてアナログで聴くとむちゃくちゃ音が良くてびっくりした。エンジニアはS&Gビリー・ジョエルなんかのプロデューサーでもあるフィル・ラモーン。実は最近真面目にコピーしたいと思っているのがP,P&M。概してコピーは苦手なんですが、自分の原点だからこれだけはやらなきゃな、という。ギターと3声で成立する音楽。教会音楽のような神聖さもある。小室等PPMフォロワーズを作ろうとした気持ちはわかる。っていうか世界中に紅一点のトリオができたわけですし。

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 聴いていると”I Dig Rock and Roll Music”におけるポール・ストゥーキーのヒップなロック感覚とか、一体どうなってるのかなと思う。メロディはドノヴァンだと思うけれど、ママス&ザ・パパス的なコーラスも加わって。リリース後にディランの『ベースメント・テープス』に入る”Too Much of Nothing”とか、この時代のヒップさが際立っている。

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 そしてフォークソング”Stewball”。クリスマスが近づくと街中に聴こえてくる”Happy Xmas (War Is Over)”の元ネタと目されている曲。1961年デビューのP,P&Mヴァージョンの”Stewball”1963年に発表されているのだけれど、1970年の10年目の解散ベスト盤(つまり本盤)に収録されている。ディラン楽曲を取り上げて公民権運動を戦った先達として、ビートルズ解散とタイミングが重なった本盤はベッドイン後のジョン&ヨーコの耳にもおそらく届いたと想像する。英国の競走馬バラッドだった”Stewball”P,P&Mは、「年老いたスチューボールに賭けていたなら、いま自由になれていたはずなのに…」と余韻のある語り口で解釈したのだった。戦争が無くならない現状と平和な未来への希求…という祈りのイメージとも重なり合うように思えた。そういえば「War Is Over」は1968年に不遇のフォークシンガー、フィル・オクスが掲げたスローガンだったことなども思い出される。優れた音楽とはこうしたイメージの集積から生み出されるのだろう。

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Harry Nilsson / Losst And Founnd

*['60-'70 ロック] Harry Nilsson / Losst And Founnd (Omnivore /2019)

 

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前回リンゴを取り上げたから、というわけではないけれど、1994年に52歳の若さで亡くなったハリー・ニルソンの未発表アルバム。タイトルは表題曲”Lost And Found”を思い入れたっぷりに「本当に待たせたよ!」と言わんばかりの『Losst And Founnd』。プロデュースはハドソン・ブラザーズの、というより90~00年代リンゴのプロデューサーとして知られるようになるビートルズ狂・マーク・ハドソン。彼ももう68歳になるわけですか。

 

ジャケが簡素すぎて、たいしたことないのかと思ったら、聴いてみたらおそろしく良かった。ポップの良いとこどりのような。ブライアン・ウィルソンの未発表音源をアルバムにしたような感じ、でもあるし、ビートルズのエッセンスをリンゴの『Time Takes Time』『Vertical Man』の如くまぶしつつ、やっぱりニルソンだし。いや、ジョンが生きていたら、と思わせる部分もあったり。それにしても、ちゃんとニルソン自身のボーカル(コーラス含)を入れたトラックをここまでちゃんと作りこんでいたとは! 1980年のFlash Harry』以来、アルバムをリリースしないままだったのだが、亡くなる直前にはアルバム用の音源を作っていたのだという。自作・共作(マークやペリー・ポトキン・Jrと)・カバー含め計11曲、ニルソンが健在ならビートリーな傑作に仕上がっていたことを伺わせる(”Try”には”All You Need Is Love”風のコーラスを入れてみたりと遊びゴコロも)。声は期待していなかったけれど、思ったより酒ヤケでもなく、けだるくも伸びやかで、曲によってはディランのようでもあり。まさかディランの現在のああいう展開も90年代半ばにはまだ想像できなかったわけだから十分許容。ドラムスは7曲でジム・ケルトナー、アコギやベース、コーラスにマーク・ハドソン、ピアノはジム・コックス、そしてベースはニルソンが残した息子キーフォ・ニルソン(YouTubeに父をカバーするライブ映像もある)が時空を超えた共演。父が亡くなった時10歳にもなっていなかったキーフォが参加していることからすると、録り直し・アレンジの作り込みを加えてのリリースであるということだ。コーラスにはゲイリー・バーとか、リンゴとも共通する固い人選。ヴァン・ダイク・パークスアコーディオンで参加する”Woman Oh Woman”とか“Imagine”のベーシストでもあったクラウス・フォアマンがベースで参加するオノ・ヨーコのカバー”Listen, The Snow Is Falling”もある(これは当時のリズム・トラックをそのまま生かしたと思われる)。そして涙がちょちょぎれたのはジミー・ウェッブ自身が感情たっぷりのピアノ伴奏を務めた”What Does A Woman See In A Man”。名唱…これはすごい!ニルソンの歌の巧さが光る。思えば彼は優れたソングライターにも関わらず、ヒット曲はフレッド・ニール("Everybody's Talkin'")、ピート・ハム("Without You")…と歌手としてのものが多かった。人の曲を歌うと素面になるような所が魅力だったのかも。”What Does A Woman See In A Man”はウェッブの1993年の名盤『Suspending Disbelief』に入っていた曲、ニルソンへの提供曲だったとは…トリビュートの意味合いがあったことに今更ながら気付く。1995年のニルソン・トリビュート『For Love of Harry: Everybody Sings Nilsson』(これはリアルタイムでカセットで買った)にもジミーが参加していて、その理由は当時わからなかった。f:id:markrock:20191204001750j:plain

 そうそう、ニルソンといえばその諧謔も含めて大滝詠一に多大なる影響を与えていると思う。ポールほどメロディアス一辺倒でもなく、ジョンほど骨っぽくもないとなると…ニルソン(笑)。ノスタルジックな雰囲気といい、今作は空飛ぶくじらや五月雨の気分とシンクロする瞬間もあった。『ロング・バケイション』がレコーディングされた1980年のFlash Harry』がニルソン実質のラスト・アルバムになったわけだから、大滝さんの先を行っている。大滝さんの新作が噂されて怒涛の再発リイシューが始まるのが、ニルソンが亡くなった翌年の1995年だったことなども思い出された。「こんな時、ニルソンがいてくれたらナァ」(もしかしたらあの時大滝さんもアルバムを…)と思ったりする、もはや2019年でございます。

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Ringo Starr / What’s My Name

*['60-'70 ロック] Ringo Starr / What’s My Name (Ume / 2019)

 

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何気に順調なリリースを続けている御歳79になられたリンゴ・スター2010年代に5作ですか。平均すると2年に1回のペース。出る度買ってますが、ほとんど金太郎飴状態、でも毎回買ってしまうという。リンゴのライブもそう。分かっているけれど行きたくなる感じ。ジャケもここの所ピースマークでワンパターンなんだけど、戦後70年余り経ってですね、安全保障のリアリズムで軍隊を持たなければなんて言う割に青白い若者も増えているっていう昨今だと、この愚直さに敬意を表したくなる。人間の愚かさは折り紙つきだけれど、平和だから音楽ができる、ということがビートルズ世代のメッセージなのだと信じたい。

 

 

ジョン・レノン”Grow Old With Me”のカバーがやはりグッと来てしまう。復縁したヨーコと共に息子の成長を喜び、つかの間の幸せを得られたと思った矢先、ジョンはダコタ・アパート前で殺されてしまう。平和の使者が理由はなんであれ暴力に倒れてしまったということに心を寄せる基礎体力が、この世界にはまだあるのだろうか。ポール・マッカートニーがベースで友情参加し、ジョージの魂もストリングスのフレーズに忍ばせている。ビートルズ解散から50年が経とうとする頃に、こんな形で再結成のプレゼントが届くとは。

 

 

リンゴのオールスター・バンドとのロードが固い絆を育て、音楽的な距離を縮めていく。ジョー・ウォルシュが印象的なリフに加え、ボーカルも聴かせる”Gotta Get Up To Get Down”イーグルス”Life In The Fast Line”を思わせニヤっとさせられる(エドガー・ウィンターも参加)。自伝で憧れのビートル・リンゴとの共演をキラキラした言葉で熱っぽく語っていたスティーヴ・ルカサーとの共作はTOTO風味もあって面白い。ビートルズ時代にジョンが歌っていた”Money”のカバーも楽しいし、ゲイリー・バーやゲイリー・ニコルソンとの共作もリンゴの変わらないカントリー趣味を反映している(”Life Is Good”は良い曲だった)。そしてワン・ダイレクション、ウィーザーなどヒット連発のソングライター/プロデューサーのサム・ホランダーが手がけた”Better Days”は流石のポップな仕上がり。6曲でベースを弾くネイザン・イーストも良い仕事をしている。あ、もちろんドラムスは全編リンゴです。ライブだとシンガーに徹してる曲も多いんですが。ちなみにタイトル曲は元メン・アット・ワークのコリン・ヘイが手がけている。What’s My Nameって知ってるよ!、ってゆー話ですが。

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 この手のものはアナログ!

『キッス・オブ・ライフ』外伝① 山本剛トリオを聴く

*[コラム]『キッス・オブ・ライフ』外伝① 山本剛トリオを聴く

 

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加奈崎さんが私財を投じて古井戸が世に問うたのが1975年にCBSソニーからリリースされた名作『酔醒(よいざめ)』。しかしこの、時を経た90年代に再評価された屈指の名盤も、当時は15千枚しか売れなかったのだという。確かに加奈崎芳太郎仲井戸麗市(チャボ)が作り上げた洗練された日本語によるジャジーなブルーズは20代半ばのミュージシャンの音とは思えないほど老成しており、大阪界隈のそれとも、九州界隈のそれとも異なっていた。木村秀勝(充揮)・内田勘太郎らの憂歌団がデビューするのは『酔醒』リリースの1ヶ月後。ところで憂歌団のドラマー島田和夫が亡くなった後、RCサクセションのドラマー新井田耕造がその後釜に入ったわけだから、憂歌団と古井戸は遠そうでいて音楽的には近い所にいたのだろう。

 

 

『酔醒』の卓越した音を構成している要素を考えたときに、デビューから5年を経て円熟の高みを見せていた加奈崎芳太郎のボーカル、ブルージーに迫る仲井戸麗市の楽曲と流麗なギター、そしてCBSソニーのスタジオでの録音とミックスのクリアな音像が挙げられる(遠藤賢司友部正人斉藤哲夫、律とイサトなどフォーク勢のCBSソニーでの諸作を他レーベル作品と比較すれば、エンジニアの違いがあったとしても、圧倒的に音が良いことがわかる)。そして、忘れてはいけないのが12曲中6曲で伴奏を務めた山本剛トリオのメンバー(ピアノ・山本剛/ベース・福井五十雄)による演奏ではなかろうか。共演した曲目は飲んだくれジョニィおまえと俺スーパードライバー54ステーションホテル黄昏マリー、そして私の風来坊(この曲だけ福井のみ参加)。ドラムスは山本剛トリオの小原哲次郎ではなく、元々ジャズ畑だったが後にポップス界で数多のビッグ・アーティストと共演することになる山木秀夫が務めている。

 

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山本剛トリオは『酔醒』前年の1974年に、「日本のブルーノート」と評価されるTBMthree blind mice)レーベルからファースト・アルバム『ミッドナイト・シュガー』をリリース。和ジャズのレアな名作だけれど、今年の10月に1500円シリーズでCD再発されている(LPはとても高い…)。ピアノとベースの一音を聴くだけで『酔醒』と同じ音だとわかる。録音状態は『酔醒』同様とても良い。プレイヤーの力量です。山本のオリジナルによるタイトル曲、ビリー・ホリデイ絶唱も知られるアイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー、ホーギー・カーマイケルのニアネス・オブ・ユーなどを実にリリカルに聴かせてくれる。和ジャズの粋と申しますか、曲目もバラエティに富み、思わず40分弱、聴いている時間を忘れさせてくれる。これほど演者の個性が伝わるピアノ・トリオもそうないのではなかろうか。しかもぶったまげてしまったのは、この山本剛、GS時代の60年代後半にヨーロッパ公演をやったミッキー・カーチス&サムライズ(フェイシズに加入する山内テツもいた)のメンバーだったということ…『河童』の頃にはもういないのだけれど。そして、山本剛トリオは『ミッドナイト・シュガー』に続く同年のセカンド『ミスティ』も忘れ難き大・大名作。

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レコードコレクターズ誌に書評が出ました

*[コラム] レコードコレクターズ誌に書評が出ました

 

11月15日発売のレコードコレクターズ12月号に加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(明月堂書店)の書評が載りました!(「軽妙なラジオの語り起こしと濃密な全アルバム解説と」)評者は志田歩さんです。ありがとうございます!

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札幌のレコード屋

*[コラム] 札幌のレコード屋

 

加奈崎芳太郎50周年記念コンサート行商の翌日、19時の飛行機までの間は…というと、書店のチェックと、レコードしか思いつかなかった。東京にいてもやることは一緒。書店はといいますと、札幌駅近くの紀伊國屋書店で発見!面出しで置いて頂けて感謝です。

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レコ屋は手始めにすすきの近く狸小路のフレッシュ・エアーという店。早速有名どころからマニアックなレコまで極めてディープ!店の前の300円棚でMurray Head1987年盤Sooner Or Laterを発見しただけで、やるな!と思ってしまう。f:id:markrock:20191111235351j:plain

札幌はディスクユニオンなど中古レコードチェーンが入っていないので、店主独自の品揃えが生きている。ユニオンも好きではあるし、チェーンとはいえ地域により雰囲気も違ったりするんだけれど、一面やはり画一的ではある。で、このお店に入ると、どこから見るか迷う程、天井まで所狭しとレコの山!オールジャンルのこういう店が札幌の音楽文化を育てているのだろう。客足も途絶えない。値段も1000円台と極めて良心的。コロンビアから1972年にリリースされたChris Ducey在籍のデュオPrailie Madnessをまず発見。

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Chris Duceyの唯一のソロは持っていた。聴いてみると、エルトン・ジョンとリオン・ラッセルを足したような(彼ら、最後は共演しましたが)、スワンピーで時に叙情的なピアノ・ロック。プロデュースがプロコル・ハルムMatthew Fisherだったので納得。そして、リプロ盤なんだけど、ジャケの質感も良くできているMellow Candleのカルト名作Swaddling Songs、そしてabcから1972年にSteve Barriのプロデュースでリリースされたカントリー・ロック・バンドCherokeeの同名盤Cherokeeを入手。何気にベースが全編バーズのChris Hillmanだったことに驚いた。Sneaky Peteもペダル・スティールで参加。幸先よし。そういえば店名のFresh AirというB級バンドのLPがEpicにあったことを思い出して店長さんに言うと、「あ~」という返事。

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次は通販で買ったこともあるキングコング。大阪にもあったかな。ここはジャズ、ソウルといったヒップホップのネタ中心の店だけれど、2eyes/360soundがディランの60年代中期の盤を想起させるBilly Joe RoyalDown in the Boondocksを選び取る。Joe Southプロデュースの有名作だけど、オリジはもっていなかった。

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で、その次は割と新しいお店らしいけれど同じくすすきの のファイブワン。日本のフォーク・ニューミュージック関係のアルバムやシングルが豊富だった。既にCDやレコードを持っていたけれど山田パンダ大先生の『ラヴリィ・ハット・ショップ』のサイン入りが300円にて。

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あとは東芝エクスプレス・レーベルの女性シンガー4人(りりィ、荒井由美、グラシェラ・スサーナ、浅川マキ)の非売品オムニバスが500円。コレ、結構珍しい組み合わせだなと思った。

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あとは英国RAKよりNew Worldという3人組の1971年盤、アルフィーのシングル2枚、ご当地札幌出身・鈴木一平在籍のフォーク・デュオ、ラビのシングル「青春碑/すみれ草」、そしてコレはなんじゃろなというCBSのシングル、ヘンリー「かわいそうな娘/悲しい時には」を。ヘンリーのそれはエミー・ジャクソン「涙の太陽」のモダン・フォーク版と思しき和製洋楽的なものと判断。それにしても松山千春中島みゆき、ふきのとうといった北海道出身アーティストのシングルは見たことのないようなものまで出て来て。音楽ファンの熱気を感じる地元ならではの雰囲気がいい。

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で、最後は時間もお金も尽きてきたので、市電山鼻線という味のあるチンチン電車に乗り、東屯田通り駅前の音楽創庫タナカへ。ここは凄かった!いわゆる一昔前の、自分が中学生の頃に通っていた古本屋のような狭い店内、これまた古本屋のようなベニヤの倒れてきそうな本棚にレコードがぎゅうぎゅうに詰め込まれている。ここもオールジャンルで在庫多数。なんでここで買ったのかわからないけれどYMOのボール紙の『増殖』とか、加奈崎さん繋がりで、50周年ライブのオープニングのSEでかかっていたザ・バンドボブ・ディラン)の”I Shall Be Released”のカバーが入っているRCサクセションコブラの悩み』のアナログを発見。コブラの悩み』はカセット/CD時代に入っていた時期のリリースだから、アナログはちょっと珍しい。

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あとは100円のシングル盤が凄い量だったので、山田パンダ「落陽」、先ほども買ったラビのもう1枚のシングル「季節/愛の架け橋」、徳永英明のド定番「輝きながら…」、ピンク・ピクルス「一人の道/あなたの手紙」、チャゲ&飛鳥MOON LIGHT BLUES」、飛鳥涼ASKA)初のソロより「MIDNIGHT 2CALL」「MY Mr.LONELY HEART」、新井英一の「清河への道」以前の「銀河の流れる街」などを。チャゲアス関係は解散騒ぎもあったからか、往年のファンからと思しき大量のシングル盤が売られていて、ファンの切ない心理を垣間見る。

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そしてエレック関係では私のファースト・アルバムで2曲のアレンジをやって頂いた龍(佐藤龍一)さんのシングル「最後のジルバ/夕焼け事件」。これはSF/オカルト・チックなプロモ・シート付なのが珍しかった。このお店もお客さんがとても多くてびっくり。あと、札幌は夫婦でレコ屋に来ている人たちをよく見かけて、女性がレコをサクサクやっているのも印象的だった。これは東京ではあまり見ない風景。最高ですね!

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古井戸を見た!

*[日本のフォーク・ロック] 古井戸を見た!

 

またしても久々の更新。ここのところ魂の抜け殻のような感じでもあり。何しろここ1年は加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』明月堂書店)に関わる制作作業で怒涛の日々だった。この本、先月26日に札幌・共済ホールで行われた加奈崎芳太郎50周年記念コンサートに合わせて世に出すことを目標としていたわけで、とりあえずそれが叶ったことを嬉しく思っている。

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 発売前はアマゾンからも300ほどのオーダーがあり、まずまず順調な滑り出し。9月にはLCV-FM加奈崎芳太郎Digit!」プロデューサーPコバさんの尽力もあり、諏訪で記者会見が。残念ながら仕事の関係で同席できなかったのだけれど、毎日新聞信濃市民新聞に記事を載せていただけた。毎日の方は全国区でヤフーニュースなどにも出たから、多くの人の目に情報を届けることができたと思う。そして発売後は各所から反響が届き、ひとまずホッと胸を撫で下ろしている。私の尊敬する音楽評論家の小川真一さん、よしだたくろう・古井戸・泉谷しげるをはじめとしたエレックレコードのプロデューサー/ディレクターとして知られる伊藤明夫さん(広島フォーク村初代村長)、ギタリストの安田裕美さん、私が20年前に一緒に対バンライブをやらせて頂いたサスケの大垣カツさん、そして古井戸2000のギタリスト橋本はじめさんからも嬉しいご感想を頂けて…本当に感謝感激。

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 それにしてもチャボ(仲井戸麗市)さん、新バンドの今池アクシデンツ、札幌在住のジャズ・ピアニスト豊口健さんを交えた50周年・札幌ライブは凄かった!2015年の古井戸再会ライブは東京&諏訪の開催だったから、チャボさんと加奈崎さんの二人きりの古井戸のステージを楽しみにしていた北海道ファンの熱気を客席にビリビリ感じまくる。もちろん全国からもファンが詰め掛けていた。そのステージは、加奈崎さんの古井戸以来のキャリアを丁寧に辿りつつ、その音楽性の幅広さを全て魅せてくれたように思う。物販も大大盛況で、サイン会も長蛇の列。加奈崎さんが味わってほしいとおっしゃっていた、対面手売りの有難みや嬉しさを思い知った。これこそが、伊藤明夫さんがレコード50枚背負ってレコード屋を回ったというエレックイズムなのか!と。

 

 

どのシーンも忘れられないけれど、ステージを楽しんでいることが伝わった冒頭今池アクシデンツのロッキンなステージ(お別れの時のアクシデンツ・ヴァージョンを再び聴けた!)、ステージの空気を一瞬で変えてしまった豊口健さんとのPiano-Forte(ピアノ・フォルテ)』2009年に加奈崎さんが中西康晴さんと作ったピアノ・アルバム)モードなセッションにおけるさらば東京の名演は心に残った。そして、チャボさんとの古井戸は4年前の再会ライブよりもさらにリラックスした演奏で、会場が途端に一つになったことがステージの一番後ろからでもわかった。客席のリクエストに応えてチャボさんがインスタントラーメンのさわりを演ったり、四季の詩でチャボさんが歌うのを忘れて演り直したり、そしてなんとチャボさんが加奈崎さんのために作った新曲遠いシャララまでもが披露されたり!全ての古井戸にまつわる浮き沈みの物語がこの必然にたどり着いたことを思うと…サビをあえて言葉でなく「シャララ」に託したチャボさんのメッセージは、個人的な感想だけれど、グラス・ルーツの「シャーラーララララ リヴ・フォー・トゥデイ」…そう、つまり「今を生きよう」というメッセージだと受け止めた。加奈崎さんもそれをしかと受け止めて歌っているように思えたのだった。そしてまさかのアンコールでは'ポスターカラー'に'何とかなれ'…その日はスタッフ打ち上げからの、豊口健さんのお店でジャズ・ライブを堪能しつつ、3次会でも全国の加奈崎さんファンの熱いトークに話は尽きず…札幌の夜は更けていったのでした。